新しい人材を募集したい時には求人媒体を使って、自社の情報を伝える必要があります。求人媒体は採用したいターゲットの特性や職種によって使い分けることで効率良く、かつ効果的に採用活動を進めることができます。
近年、インターネットの普及によって、紙媒体だけではなくWeb上で見られるメディアも増えてきました。そこで今回は、求人媒体の種類やそれぞれの特徴、求人媒体を活用する際の注意点について解説しています。
自社に合った人材を採用するためにはどの求人メディアが良いのかわからない担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
求人メディアとは
求人広告とは応募者を集めるために求人情報を掲載する媒体のことです。新しい人材を求めている企業と仕事を探している求職者をつなぐ役目をしています。
求人メディアには、次のようなものがあります。
・Web求人サイト
・紙媒体の求人広告
・人材紹介
・求人検索エンジン
・人材派遣
・ハローワーク
・人材派遣
元々は新聞の折込チラシやコンビニやスーパーマーケットにおいてある求人誌が主流でしたが、近年インターネットの普及により、Web求人の方が活用されている傾向にあります。
求人メディアを利用するメリット
企業が求人メディアを利用するメリットには次のものがあります。
・幅広い層に求人を見てもらえる
・求人の情報量が多く企業の魅力を伝えやすい
・採用ニーズにマッチした人材が集まりやすい
それぞれ詳しく解説していきます。
幅広い層に求人を見てもらえる
求人メディアは幅広い層に自社の求人を見てもらうことができるのが大きなメリットです。
求人サイトであれば、PCやタブレット、スマートフォンなどインターネットにアクセスできる端末さえあれば誰でも気軽に情報を閲覧することが可能です。紙媒体の求人メディアであれば、主婦やシニアなど特定のターゲットに効率的に情報を届けることができます。
求人の情報量が多く企業の魅力を伝えやすい
求人サイトの場合は写真や動画などを用いて求人や企業の魅力を伝えることができます。文字のみ記載されているものよりも視覚的にアピールすることが可能です。
媒体によってはフォーマットのような形で求人の条件を入力できるものもあります。
採用ニーズにマッチした人材が集まりやすい
求人メディアの多くは、自身の情報を登録した上で利用するものがほとんどです。登録をしてまで情報を探している求職者が多いため、仕事や転職に対して意欲的な人材が集まりやすい傾向にあります。
求人メディアを利用するデメリット
続いて、求人メディアを利用するデメリットを2つ紹介します。デメリットは次のとおりです。
・他社の求人と比較検討され埋もれる可能性がある
・採用しなくてもコストが発生する場合がある
それぞれ詳しく解説していきましょう。
他社の求人と比較検討され埋もれる可能性がある
求人メディアを企業が利用するデメリットは、他社の求人や似ている求人と比較されやすい点です。自社に適した人材がいたとしても、他の求人の方に魅力を感じた場合はそちらに流れてしまう可能性があります。
そうならないためにも、求人情報は充実させておくことが重要です。写真や動画など視覚的にアピールできるものがあるなら、積極的に掲載していきましょう。
社員の声やキャリアアップの例なども併せて記載しておくと、自社で働くイメージが持ちやすく、良い印象を持ってもらいやすくなります。
採用しなくてもコストが発生する場合がある
求人メディアには、掲載する段階で費用が発生するものもあれば、完全成果報酬型などサービスによって料金体系はさまざまです。そのため、採用がうまくいかず難航した場合や結局採用できなかった場合でも、料金が発生するメディアもあるため注意が必要です。
無駄なコストを発生させないために、利用している求人媒体が適しているのかを定期的チェックし、思うように候補者が集まらない場合は求人媒体を変更することも視野に入れておくと良いでしょう。
求人媒体・採用メディアの種類と特徴
求人媒体や採用メディアは、採用したい人材に合わせて使い分けることが重要です。使い分けることで最適な人材が見つけやすくなるだけではなく、採用に無駄なコストをかけずに済みます。
ここでは、求人媒体や採用メディアの種類や、それぞれの特徴についてそれぞれ解説していきましょう。
Web求人サイト
Web上の求人サイトは、求人情報をまとめたWebサイトのことです。数多くの求人メディアの中で最も多くの人に利用されている媒体です。多くの求職者に求人情報を素早く届けることができます。
求職者からすると、ネット上に散らばった多くの求人を一気にまとめて閲覧することができるので比較検討がしやすいというメリットがあります。
求人サイトは、採用目的に応じて次のようにメディアが分けられている場合が多いため、採用したい人材に合わせて利用するサイトを使い分ける必要があります。
<採用目的別求人サイト>
採用したい人材の特徴 | Web求人サイト |
---|---|
新卒 | ・マイナビ ・リクナビ ・キャリタス就活 |
中途社員 | ・エン転職 ・type |
アルバイトやパート | ・バイトル ・タウンワーク ・マイナビバイト |
紙媒体
紙媒体の求人広告は、新聞の折込チラシや求人のフリーペーパーなどを指します。
求人のフリーペーパーはエリアを分けて発行されているので、その地域に密着した求人が掲載されています。駅やコンビニなど人目に付きやすい場所に設置されている場合が多いため、多くの人に見てもらいたい場合におすすめです。
新聞の折込チラシは新聞を購読している世帯にしか見てもらえないため、主婦層やシニア層を積極的に採用したい場合に適しています。近辺の人材を採用したい場合は、積極的に活用することがおすすめの媒体です。
求人検索エンジン
求人検索エンジンは、GoogleやYahoo!での検索と同じように、キーワードや項目を選択すると、Web上で公開されている求人情報から一致する求人のみが表示される仕組みとなっています。
圧倒的な知名度を誇るIndeedなどが求人検索エンジンの例といえます。Indeedは求人を直接投稿する形と、すでに保有している求人ページを掲載するクローリングの2種類があります。
求人サイトの場合はサイトごとに会員登録をしたり情報を入力したりしないと情報を閲覧できない場合がほとんどですが、求人検索エンジンはそのような工数を必要としないため手軽に利用できるという利用者側のメリットがあります。
求人検索エンジンを利用する場合の費用 | ・基本は無料 ・自社の求人の露出を高めるために費用が発生する場合がある |
人材紹介(エージェント)
人材紹介はエージェントを通して、求める人材をピンポイントで確保できる方法です。
エージェントが間に入ってコンサルタントをしてくれるため、求職者の希望はもちろん、企業側の求める条件や適正にあった人材を紹介してもらえます。そのため、他の媒体に比べて候補者の質が高い傾向にあります。
企業や職種、キャリアアップのイメージなどの大まかな企業説明や面接の日程調整などをエージェントが代行してくれるため、採用活動にかける工数を大幅に削減できるのが利用するメリットといえるでしょう。
人材紹介には主に次の2種類があります。
- 一般紹介型:人材紹介会社に求人依頼を出し、登録されている候補者の中から紹介してもらう方法
- サーチ型:人材紹介会社に登録している人以外の人材も含め、条件に合う人をヘッドハンティングしてくる方法
一般紹介型が主流のものであり、サーチ型は役員クラスの人材や専門職の人など採用の難易度が非常に高い人材を採用したい場合に利用されています。
人材紹介を利用する場合の費用 | ・成功報酬型 ・採用者の年収の30〜35% |
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、採用候補者に採用担当者が主体的に関わりを持ち、採用をする手法です。カジュアル面談などで企業を気軽に知ってもらう機会が設定できるため、転職潜在層にもアプローチできることが特徴です。
求人メディアや人材紹介では出会えない、優秀な人材と巡り会える可能性が高い傾向にあります。
ハローワーク
ハローワークは、厚生労働省が運営している公共職業安定所のことです。労働力の需給を安定させる役割を担う機関となっており、無料で求人を公開できる特徴があります。
Webの求人サイトや人材紹介とは異なり、高いスキルを持った人や即戦力となりうる優秀な人材の確保は難しい傾向にあります。すでに離職をしている人や現在進行形で仕事を探している人がハローワークに通っている可能性が高いため、スピード感を持って採用をしたい場合などは向いています。
人材派遣・紹介予定派遣
人材派遣は、派遣会社に所属している派遣スタッフを自社に派遣してもらう方法です。繁忙期だけ人材を確保したい場合や特定の業務のみ任せたい場合など、企業側の都合に合わせて柔軟に対応できることが特徴です。
業務内容や期間など、条件がマッチした人材を選定して派遣してくれるため、採用における試験や面接選考を省くことができます。
一方で、紹介予定派遣とは、いずれ直接雇用になることを前提にスタッフを派遣してもらう方法です。最長6ヶ月の派遣期間が終了し、派遣先企業と労働者双方の合意がされると人材派遣会社に合った雇用が派遣先企業に移ります。
採用イベント・合同説明会
転職イベントや合同説明会は、会場内にブースを設置し、来場した求職者に自社の魅力を伝える交流の場です。基本的にはオフラインが主流ですが、近年ではオンライン型のイベントや説明会も多くなってきました。
このような採用イベントや説明会は、数十名規模のものから2,000名以上が集まる大規模なものまでさまざまです。自社のことを知らない求職者に直接アピールすることができるため、企業の認知度・好感度を高める効果があります。
全業界合同で実施をするものもあれば、業界特化型や学部・学科限定型のイベントもあります。特定の業界に絞って企業を探している意向の高い求職者や、学んだことを活かして働きたい意欲のある学生と効率良く接点を持てるメリットがあります。
イベント経由で企業に興味を持ち、インターンシップや選考へ進む求職者が多い傾向にあります。
採用イベント・合同説明会 を利用する場合の費用 | 30万円〜100万円程度(イベントやブースの規模による) |
求人媒体やメディアを活用する際の注意点
求人媒体は便利で、効率的に自社のことをアピールできるので採用活動をよりスムーズに進めることができます。手段として利用するのはもちろんですが、効果的に利用するために次の点に注意しましょう。
・採用ターゲットを明確にする
・採用の緊急度を設定する
・採用にかけられるコストを決めておく
・採用にかけられる人的リソースを把握しておく
それぞれ解説しましょう。
採用ターゲットを明確にする
採用において最も重要なのは採用ターゲットを明確にしておくことです。ターゲットを明確にしておかないと、自社に合わない人材を確保してしまうことにつながり、採用のミスマッチが起きかねません。
最悪の場合、採用した人材の早期離職となってしまいます。早期離職になってしまうと、それまで採用にかけたコストや時間などがすべて無駄になってしまうため、採用したい人がどのような人なのかという人物像ははっきりと決めておきましょう。
採用ターゲットを明確に決めることができれば、必然的に利用すべき求人媒体やメディア、求人に記載すべき項目や文言が決まってきます。
採用の緊急度を設定する
次に、採用の緊急度を決めておきましょう。
企業は、一度に多くの職種を募集する場合があります。いつまでに何人採用しなくてはならないのか、採用のきっかけが不足による人員補充なのか拡充なのかによっても緊急度は大きく異なります。
緊急度を設定しておくことで、優先順位をつけて採用活動を進めることができます。お互いの機会損失をなくし、効率良く採用を進めるためにも、緊急度を決めておくのが重要です。
採用にかけられるコストを決めておく
採用にかけられる予算には限りがあります。
求人媒体は掲載にコストがかかるものであったり、完全報酬のものであったりとさまざまです。予算を効果的に使うために、求人媒体の組み合わせを考える必要があります。
採用にかけられる人的リソースを把握しておく
採用には履歴書の確認や候補者の選定、面接や企業説明会、そのほかにも日程調整のための工数や書類の準備など多くの時間を要します。
人的リソースが不足しているのに多くの候補者の面接を実施するのは担当者に負担が集中してしまい、かえって非効率です。人的リソースを事前に確認し、一度に受け入れられる候補者数の上限を決めておくことをおすすめします。
求人媒体やメディアの選び方
続いて、自社に合った求人媒体を選ぶために、チェックすべき項目について解説しましょう。
・採用計画やスケジュールに適しているか
・採用ターゲットの採用に強みがあるか
採用計画やスケジュールに適しているか
採用には期限がある場合がほとんどです。そのため、採用期限から逆算して準備をする必要があります。
求人媒体には申し込みから掲載まで、平均して1週間〜10日程度の時間がかかります。メディアによってはヒアリングがあったり、原稿の確認が発生したりで2週間ほどかかるものもあります。
基本的にはすぐに求人広告を載せるのは難しいので、想定しているベストなタイミングから採用活動がスタートできるよう準備しましょう。
採用ターゲットの採用に強みがあるか
採用を成功させるためには、欲しい人材に効果的にアピールすることが重要です。そのため、採用したいと考えているターゲットの採用に強みがあるかという観点で求人媒体やメディアを選択しましょう。
求人媒体ごとに特化している業種や職種、登録している求職者の年代や性別など属性が異なります。会員属性から逆算して、この求人媒体だとどれくらいの人材にアプローチができて、自社の採用ターゲットとなりうる人がどれだけいるのかを考えましょう。
また、ターゲットに対してどのようにアプローチできるかの手段も重要です。サービス内容やプラン、コストなどから総合的に判断しましょう。
おすすめの求人採用メディア
最後に、おすすめの求人メディアを5つ紹介します。
マイナビ転職
マイナビ転職の強みは掲載している求人の数です。常に1万7,000件以上の求人を掲載しています。さまざまな求人を見られることから、マイナビ転職に登録している人は700万人を超えており、業界最大級の登録者数を誇ります。
営業や販売、サービスや事務など幅広い職種をカバーしています。登録しているのは20代〜30代の若手人材が多いですが、幅広い年代、職種にアプローチをかけていきたいと考えている企業に特におすすめです。
利用者は自分の条件で多くの企業の求人を閲覧できるようになっています。写真も掲載できるので文字だけでは伝わりづらい情報を視覚的にアピールすることができます。
大手の求人メディアの中ではコストパフォーマンスが高いことも魅力です。
doda
dodaの登録者数は665万人(2021年12月末時点)です。経験者や即戦力となる人材の採用が強みです。
求人メディアとしての役割だけではなく、人材紹介サービスも提供していることが特徴であり、人材紹介を利用している求職者にもアプローチができます。
特に、IT系職種やものづくり系エンジニアの採用に強みがあるため、IT企業の人は検討してみてください。
リクナビNEXT
リクナビNEXTは人材紹介のエージェントが候補者を紹介してくれるサービスです。中途の社員を採用するのに特化したサービスとなっています。
企業側は登録している利用者の経歴を見ることができ、そこからスカウトやオファーを送ることが可能です。求人情報サイトの側面も持っているため、幅広い層に自社の情報をアピールすることができます。
リクルートは採用したい候補者によってサービスが異なります。新卒の場合は「リクナビ2024」や「リクナビ2023」、派遣社員を採用したい場合は「リクナビ派遣」、専門職に特化した「リクナビ薬剤師」というものもあります。
Green
Greenは、ダイレクトリクルーティングに特化した求人メディアです。ITやWeb業界に強く、ベンチャー企業が多く利用しています。エンジニアやWebデザイナー、ディレクターやマーケティングなどの職種の採用に向いています。
Greenを利用するメリットは、圧倒的なコストパフォーマンスです。求人の掲載期限がなく、採用できなかった場合は費用が一切発生しない仕組みとなっています。そのため、長期的に募集をかけてじっくり検討をしたい求人などの掲載もおすすめです。
Wantedly
Wantedlyは、求人メディアとしての側面も持ちながら、ダイレクトリクルーティングができる求人媒体です。新卒や中途だけではなく、アルバイトや業務委託のメンバー採用にも利用することができます。
Wantedlyの特徴は、給与や待遇などの条件でマッチングをかけていくのではなく、企業の思いやビジネスの方向性に共感した人材を確保できるところです。向上心のある人材の採用を見込めます。
まとめ
求人媒体の種類やそれぞれの特徴、求人媒体を活用する際の注意点について解説しました。求人媒体は採用したいターゲットの特性や職種によって使い分けることで効率良く、かつ効果的に採用活動を進めることができますよ。
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