派遣社員の割合

企業における社員の雇用形態の割合は、業界や年代で少しずつ異なります。今回は、派遣社員がどの程度の割合なのかについて、具体的なデータとともに紹介します。

男性の派遣社員が思わぬ数値だったり、若年層にとって派遣社員がどのようなイメージなのかについてだったり、意外な結果も多いです。景気の波にも左右される派遣社員の割合について最新データを把握していきましょう。

派遣社員の割合とは

派遣社員は全体の雇用形態のうちどれだけの割合を占めているでしょうか?

2022年現在、ここ数年で働き方に対する人々の考えは大きく変化しています。在宅勤務やオフィス外の屋外で働くワーケーションの広がりにより、働く場所・働き方への考えが幅広く、柔軟になっていきつつあります。

雇用形態についても一昔前のイメージとは大きく変わっているため、全体的な推移についてデータを紹介しながら解説していきます。

市場データ

一般社団法人日本人材派遣協会の調査によると、ちょうどコロナ禍初期というタイミングである2020年1~3月平均の派遣社員数は、約143万人になりました。

雇用者全体に対する派遣社員の割合は2.5%を推移しています。また、アルバイトのような有期雇用労働者は2020年1~3月平均では前年比98.4%と減少しています。

さらに、2018年度の派遣売上高は、6兆3,816億円(前年比98.2%)と2年連続で前年を下回っています。派遣業界の市場規模としては、ここ数年縮小傾向にあるといえるでしょう。

また、利益率も重要なポイントです。一般的なマージンは給与の3割といわれています。この中から社会保険を支払ったり、派遣会社の社員給与などを支払ったりしています。

ここ最近はこうしたマージン率も少しずつカットされているため、利益率が下がり派遣会社の業績も厳しい状態が続いています。

参照元:派遣の現状(一般社団法人日本人材派遣協会)

今後の予測

縮小傾向にある派遣業界ですが、今後しばらく厳しい時代が続く可能性が高いです。

派遣という働き方は景気の影響を非常に大きく受けやすい雇用形態です。スポットで業務を任せたり、正社員のように固定費がかさまなかったりする分、業績悪化で最初に削減候補に上がりやすく、新規の採用活動も行われなくなってしまいます。

こうした中でコロナ禍という非常事態が発生し、大きな経済的損失を被った企業が多く存在しています。好景気に戻り、活発な派遣採用が行われるまでにはしばらくかかると思われます。

有効求人倍率もかなり回復してきたものの、現在の企業の思考としては「優秀な社員を積極的に雇いたい」という考えが強くなっています。

これまでは頭数としての採用もしてきた会社は多かったのですが、余計な人材を入れずに能力値の高い人材を採用出来るまで活動を続けるという傾向も強くなっています。

そのため、派遣に関しても技術派遣やIT派遣のようなスキルを持った人材の需要が増えており、専門性の薄い事務や接客・販売の派遣募集は減少傾向にあります。

男女別の派遣割合

厚生労働省のデータ

もう少し詳しい割合もチェックしていきましょう。男女別の割合の違いや特徴について、厚生労働省のデータ(派遣労働者実態調査結果の概況)をもとに解説していきます。

男性

男性の派遣社員は、登録型37.7%、常用雇用型62.3%と常用雇用型が多い傾向にあります。

登録型とは、案件に付随させて有期のスポットで働く形式で、常用雇用型とは、無期限派遣なので期間を設けずに長期で働くケースが多いです。また、契約が終了したあとも次の派遣先が決まるまで派遣会社から給与が払い続けられるため、比較的収入が安定しやすいという特徴もあります。

エンジニアなどの技術者派遣に従事している人も多く、特にIT系の技術職はスキルを積みながら会社をスライドさせていくことが多いため、効率良く能力を高めていけるという点があります。ゆくゆくは正社員として雇用されることを目指して、あえて派遣を選んでいる人材も多いでしょう。

女性

反対に、女性は登録型75.8%、常用雇用型24.2%という割合のため、男女比率はほぼ真逆といえます。

世間の一般的な派遣のイメージは、まだまだオフィスワークの登録型派遣という方も多いのではないでしょうか。登録型を志望している女性が多い理由は、結婚や出産などの転機で働き方や雇用形態を見直す機会が男性よりも多いことも影響しています。

派遣であれば、残業が少なかったり転勤を避けたりすることができます。人間関係のわずらわしさも感じにくくなる点もメリットです。後述しますが、オフィスワークの案件も登録型には多いため、まずは派遣で参入をする女性が多いことも特徴です。

業種別派遣割合

業種別の派遣社員の割合についても解説していきましょう。男女で差があるため、合計の結果と男女別の業種割合をそれぞれ紹介します。

トップ3の業種

男女合計のトップ3の業種は以下のようになります。

  • 第1位:事務・オフィスワーク
  • 第2位:製造関連職
  • 第3位:運搬・清掃関連職

案件の数に比例している部分も多く、事務系の職種が圧倒的1位となりました。次点で製造関連職となり、常用雇用型で働く人も多い業種となります。

ただ、男女別に確認すると大きく異なる結果となりました。

男性の1位は製造関連職で39%を占めているのに対して、女性の1位は事務職で44%以上という数値です。男女合計で1位が事務職ですが、男性の事務職従事者は8.9%しかおらず、女性の人数の高さを物語っています。

ワースト3の業種

割合が少ない業種は次のとおりです。

  • 第1位:農業・漁業職
  • 第2位:ドライバー
  • 第3位:販売職

※その他を除く

農業や漁業はもともと派遣社員の募集自体が少なく、季節の縛りがあるケースも多いため一番少ない業種となりました。冬季はシーズンオフとなるため、期間限定のスタッフとして従事している人が多いです。

また、ドライバーは資格が必要な職種になるため、2位という結果です。ドライバー派遣は事業として運営するためのルールも厳しく、事業所の数が多くないことも影響しています。販売職の従事者はそこまで少なくないものの、コロナ禍で現在さらに減少している可能性も高いです。

派遣ではなく直雇用のアルバイト・パートとして雇う企業が多いため、派遣の割合が少なくなります。男女別の割合も少し異なっており、ドライバーは男性がメイン、販売職は女性がメインという結果になっています。

年代別派遣割合

最後に、年代別の派遣割合の傾向についても説明していきます。年代によって派遣に対する考えや思考が変わっていきます。特徴や悩みについても一緒に紹介します。

参照元:派遣労働者実態調査結果の概況(厚生労働省)

20代

20代の派遣社員の割合は35.5%(20歳~29歳)であり、全体の3分の1以上の割合を占めています。20代の派遣社員の傾向としては、以下の思考が考えられます。

  • 仕事に対して責任が少ない
  • シフトや辞職について身軽でいることができる
  • 色々な仕事を経験したい
  • 人間関係で揉めにくい

責任感のある仕事をしたくないと考えている人が多い印象があるかもしれませんが、複数の経験を積みやすいというメリットもあります。やりたいことが決まっていない人や、さまざまな職業を経験して自分の適性を見たいと考えている方には適しています。

長く勤務することで正社員への雇用機会も作りやすいため、入り口として派遣という雇用形態を選ぶ人も多くいます。また、女性の場合身軽でいたいと考える人も多いため、家族の事情に合わせやすい派遣職を選ぶ人も一定数存在しています。

30代

30代の派遣社員は37.7%存在しており、一番のボリュームゾーンといえます。

男女の内訳をみると差があり、30代前半は女性27%、男性19%と大きく割合が異なります。30代前半女性はもっとも結婚・出産のタイミングを迎えやすい時期になるため派遣の方が融通を利かせやすくなります。

派遣会社としても、20代である程度マナーやスキルを身につけた人材としてニーズがあるため、まだまだマッチングしやすい世代だといえます。同時に、30代になると派遣を続けながら「これで良いのかな?」と、立ち止まるタイミングも増えていきます。

  • 正社員よりも年収が低い
  • キャリアアップをしにくい
  • 紹介案件が減ってくる

このような岐路に立つ瞬間が増えていきます。一方で、ワークライフバランスを保ちやすかったり、未経験から異業種に挑戦するチャンスを持つことができたりと、ポジティブな側面もあります。

それぞれを天秤にかけながらこの先も派遣で働いていくか、正社員など別の雇用形態を目指すかのターニングポイントとなる年代です。

40代

40代の派遣社員の割合は、14.3%です。30代と違って男女比率の差も縮まり、ほぼ同じくらいの割合となります。

40代まで派遣を続けている人は、希望して派遣を続けている人と、仕方なく派遣に留まっている人で大きく捉え方が変わっていきます。転職するチャンスが減少しますが、40代であってもコツコツとスキルと実績を積み上げてきた方や、常用型派遣として長く貢献してきた方であれば、十分なチャンスはあります。

3年勤めた派遣社員を無期雇用に切り替える動きも進んでいるため、コロコロ派遣先を変えずに腰を据えて働くことが重要です。

50代

50代の派遣社員は7.3%存在しています。50代~60代になると派遣を希望していてもなかなか案件を紹介してもらえないという一面もあります。

正社員として働いた会社を早期退職して、ゆったりと派遣を希望する方もいれば、ずっと派遣を続けてきたという方もいると思います。

  • 職場の上司・同僚との年齢差・相性
  • 身体能力の衰え
  • 新しいことを吸収するための時間・労力
  • 柔軟性の無さ

上記のポイントが懸念材料となり、嫌煙されてしまうこともあります。

そこで、そういった側面を払拭して自分のスキルや柔軟性をアピールすることができれば、まだまだ働き続けることは可能です。自分の希望にマッチする案件と出会えるように、複数の派遣会社と付き合っていくことも大切です。

まとめ

派遣社員の割合は、男女や年齢別で異なることがわかったでしょうか?派遣先に「20代の人材が欲しい」「できれば女性が欲しい」など希望を出された時、割合を把握しておくと、会話もスムーズに進めやすくなります。それぞれの属性の思考を理解し、ピンポイントでアピールしていけるようにしましょう。

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