派遣会社の採用方法

派遣会社にとって、数多くの人材を確保しておくことは、取引先からの要望にスムーズに答えるために非常に重要なポイントです。効率よく優秀な人材を確保するためには、適切な採用方法を状況に応じて選んでいく必要があります。

今回は無料・有料の採用方法をそれぞれ5つずつ紹介していきます。メリットやデメリットを踏まえた上で最新の採用方法について学び、自社の採用活動に活かしていきましょう。

無料の採用手法:ハローワーク

無料で行える採用手法の1つ目は、ハローワーク(公共職業安定所)の活用です。ハローワークに求人票を登録し、ハローワーク経由で紹介状を作成してもらった求職者に対して企業が面接を行う採用方法です。

ハローワークのメリット

派遣会社にとってハローワークを利用するメリットは、料金をかけずに採用活動ができることです。ハローワークは厚生労働省が設置している人材紹介サービスであり、どんな人でも無料で登録・相談が可能です。そのため、ハローワークを活用しながら就職活動を行っている人は多く、幅広いターゲットからの応募が見込めます。

登録者の中には職業訓練の受講によりスキルや知識が身についている方もいます。年齢・学歴・性別・経験・障がいの有無などを問わず、採用活動が可能です。

ハローワークのデメリット

派遣会社にとってハローワークを利用するデメリットは、採用までのスピード感が掴めないことです。ハローワークは登録を行った後、応募が来るまで待つことしかできません。こちらから登録者に対して応募を促すアピールができないため、「すぐにでも人が欲しい」というシーンではハローワークに登録することから始めるのはおすすめしません

ハローワークはあくまでも継続的な募集方法の1つとして選ぶと良いでしょう。

無料の採用手法:スタッフの紹介

無料で行える採用手法の2つ目は、既存スタッフから知り合いを紹介してもらう方法です。もともと働いているスタッフから紹介してもらうことで、お金をかけずに採用活動が行えます。

スタッフの紹介のメリット

派遣会社にとって、紹介による採用のメリットは高いマッチング率が期待できる点です。

既存スタッフであれば、職場の雰囲気や良い点・気になる点を理解したうえで応募を促してくれます。つまり会社や案件に対する満足度が高いことが多く、ポジティブな姿勢で紹介してくれるため、採用率やその後の定着率をあげやすくなります。

面接までの工数が少ないこともポイントで、採用活動に対する手間を省きやすくなります。

スタッフの紹介のデメリット

派遣会社にとって、紹介による採用のデメリットは、応募数をコントロールしにくい点です。既存スタッフに「誰か良い人がいれば紹介してほしい」と声かけを行っても必ず紹介してもらえるわけではありません。

もし既存スタッフの職場に対する満足度が低い場合、紹介を受けにくくなります。定期的に紹介経由の人材を確保したければ、「知り合いに紹介したい」と既存スタッフに思わせる職場環境の整備が重要です。

無料の採用手法:SNS活用

無料で行える採用手法の3つ目は、SNSを活用した採用活動です。TwitterやInstagram、FacebookやYouTubeといったSNSを通してリクルート情報を開示し、応募までつなげる採用方法のことを指します。アカウントを作成し、更新するだけなら費用はかかりません。

SNSの特徴として、ホームページや求人媒体の原稿では伝えきれない「リアルな姿」を伝えやすくなるという点があります。フォロワーを増やすことで発信力・影響力に違いが生まれます。魅力的なアカウントを運用することができれば、多くのユーザーの目に止まりやすくなります。

SNS活用のメリット

派遣会社にとって、SNS活用のメリットは定性的な魅力を無料でアピールできる点です。求人媒体に案件を掲載する場合、ユーザーからは「時給」「勤務時間」「仕事内容」といった募集条件で見比べられることが多くなります。

しかしSNSであれば募集条件だけではなく、「職場の雰囲気」「働く人の声」といった文字で伝えにくい部分を動画や写真で効果的に届けることが可能です。

実際、「給与よりも人間関係が自分に合う職場に転職したい」と考える人は非常に多く存在します。そうした人に対してSNSの発信は向いている採用方法です。

SNS活用のデメリット

派遣会社にとって、SNS活用のデメリットは運用するための工数や時間がかかる点です。SNSはスタートしてから軌道に乗るまで時間がかかることが多いため、挫折する企業が多いのも事実です。

定期的に発信をしていくために記事の内容を考えたり、素材を集めたりする作業は、人事担当の業務に重くのしかかります。更新せずに放置してしまうと、採用意欲が低いと見なされ、時にはマイナスな印象を持たれてしまいます。

あらかじめ更新ルールを決めておき、他部署にも更新の協力を要請しておくのがおすすめです。

無料の採用手法:無料の検索エンジンに掲載

無料で行える採用手法の4つ目は、無料で掲載できる求人の検索エンジンを活用することです。「Indeed 」や「求人ボックス」「スタンバイ」などは、求人原稿を転載している求人専用の検索エンジンとなります。

無料で掲載する場合、企業側が原稿作成や修正・停止作業をする必要があります。手間はかかりますが、リアルタイムの求人情報を反映することが可能です。

検索エンジンのメリット

派遣会社にとって、検索エンジンを利用するメリットは、求人掲載を簡単にコントロールできるところです。担当者は管理画面上でステータスを変更するだけで開始・停止が可能になります。

たとえば求人媒体を依頼する場合、営業に連絡を取り、対応してもらうまでに時間差が発生してしまいます。採用ホームページなども同じで、外注している場合は頻繁に更新しにくいという特徴があります。

検索エンジンを活用した場合、数値を分析しながら原稿を修正したり、充足案件を即座に停止したりすることができるため、採用活動をコントロールしやすくなるでしょう。

検索エンジンのデメリット

派遣会社にとって、検索エンジンを利用するデメリットは、求人数が多すぎて埋もれやすくなることです。

求人の検索エンジンには、「クローリング」という機能が搭載されています。これは毎日新しい求人が掲載されていないかパトロールしているようなもので、新しい求人を見つけ次第、転載されます。毎日毎日、新しい求人が大量に読み込まれているため、無料枠は表示されにくくなることがあります。

求人原稿は定期的に更新し、必要があれば有料枠への掲載も検討してみると良いでしょう。

無料の採用手法:Google ビジネス プロフィールの活用

無料で行える採用手法の5つ目は、Google ビジネス プロフィールを活用した採用方法です。Google ビジネス プロフィールとは、GoogleマップやGoogle検索に掲載できる企業や店舗情報を登録することができるツールのことです。

たとえば飲食店であれば営業時間やメニュー、アクセスなどが分かるように登録されています。ホームページやSNSとの連携やユーザーからの口コミ投稿機能などもついており、投稿内容によっては採用活動にも活用することができます。

Google ビジネス プロフィールのメリット

派遣会社にとって、Google ビジネス プロフィールを活用するメリットは、場所を限定的に絞って探しているユーザーや、近くに住んでいるユーザーに効果的にアプローチしやすくなる点です。

近くに住んでいるユーザーの方が交通費は安価になったり、面接率が上がったり、派遣会社にとってプラスな点が増えます。

また求人媒体のように、募集条件だけを比較するのではなく、口コミや企業情報を踏まえた上で応募をしてもらえるため、応募後のミスマッチも防ぐことが可能です。

Google ビジネス プロフィールのデメリット

派遣会社にとって、Google ビジネス プロフィールを活用するデメリットは、口コミの評価があまりにも低いと応募率を下げてしまう可能性がある点です。

企業に対する評価はGoogle アカウントを持っているユーザーであれば誰でも自由に書き込めるため、悪意のある書き込みやネガティブな意見をされることもあります。その数が増えてしまうと評価点数が下がり、マイナスなイメージを持たれてしまう可能性もあります。

有料の採用手法:求人媒体掲載

有料で行える採用手法の1つ目は、求人媒体の掲載を行う方法です。バイトルやタウンワークといった求人広告を扱う広告代理店に依頼をして掲載します。掲載型課金・クリック型課金・成果報酬型課金などの料金形態があります。

求人媒体のメリット

派遣会社にとって、求人媒体を活用するメリットは、プロのアドバイスを受けながらスピード感のある求人募集が行える点です。早ければ依頼から1週間もかからずに掲載をはじめることができます。

急な派遣要請や欠員募集のように急いで人材補充が必要なシーンでは求人媒体を活用するのがおすすめです。

求人媒体のデメリット

派遣会社にとって、求人媒体を活用するデメリットは、採用ができない場合でもコストがかかってしまうことです。認知度のある求人媒体は期間や原稿サイズによって定額制で金額が決められており、1人も応募がなかったという結果でもコストがかかります。

あまり費用をかけずに採用活動を進めたい派遣会社は、無料で利用できる媒体と組み合わせることで、コストコントロールがしやすくなります。

有料の採用手法:オウンドメディアの活用

有料で行える採用手法の2つ目は、ホームページやランディングページといったオウンドメディアを強化することです。採用情報を掲載し、求職者が知りたい企業情報を掲載しておくことで、オウンドメディアを通して応募を募ることが可能になります。

オウンドメディアのメリット

派遣会社にとって、オウンドメディアを活用するメリットは、自社の採用力を伸ばし、長期的な採用活動が実現する点です。オウンドメディアは立ち上げにコストがかかるものの、その後の運用費は求人媒体を活用するよりもずっと安価です。

通年採用が必要な新卒採用や複数案件は、求人媒体にすべて掲載し続けた場合、広告費用がどんどん膨らんでしまいます。魅力的なオウンドメディアを運用することができれば、定期的に応募集客が見込めるようになり、自社の力だけで採用活動を成立させやすくなります。

オウンドメディアのデメリット

派遣会社にとって、オウンドメディアを活用するデメリットは、運用に手間がかかることです。専任の人材や、コンテンツを更新するためのアイディア出し・更新作業・分析などが必要になります。

運用していく中で少しずつ結果につながるケースが多いため、挫折せずに手間をかけ続けることが大変だという派遣会社も多いでしょう。複数のメンバーを巻き込んで分業しながら進めていくのがポイントです。

有料の採用手法:転職イベントの参加

有料で行える採用手法の3つ目は、転職イベントに参加する方法です。転職イベントは企業が合同で開催しているものや、求人会社が企画しているものまでさまざまです。

応募が来るまで待っているという姿勢から、イベントに来た求職者に直接アピールができるという攻めの採用活動が実現します。

転職イベントのメリット

派遣会社にとって、転職イベントを活用するメリットは、複数企業とイベントを開催することで集客力が上がる点です。集客力が上がれば多くの求職者と会話するチャンスが作れるため、その後の面接率も上がっていきます。

有名な求人媒体の主催するイベントであればそれだけで集客力が高く、大手企業や有名企業と肩を並べてアピールすることができます。求人募集をしても面接率が悪いという企業にとって、会話の機会が多い転職イベントはぴったりの採用方法です。

転職イベントのデメリット

派遣会社にとって、転職イベントを活用するデメリットは、人員の確保や事前準備に手間がかかる点です。転職イベントはブースの設立からアピールする方法まで他社との差別化が重要になります。

テーブルの上にパンフレットを置くだけではなく、自社のPR動画をタブレットで流している企業や製品やポスターなど装飾を施して注目を集める工夫が必要です。説明するスタッフも2〜3名必要になり、終日イベントになることも多くなります。

余裕をもって事前準備を進めていき、参加できそうな人材にはあらかじめ声をかけておきましょう。

有料の採用手法:Web広告の活用

有料で行える採用手法の4つ目は、Web広告を活用した採用活動です。LINE、InstagramやGoogle広告といった広告媒体を通して求人募集を行う方法です。ターゲットを絞って配信設定を行えば広告費用がかかりすぎることもありません。

欲しい採用ターゲットの思考に合わせて掲載メディアを選択すればアプローチしやすくなります。

Web広告のメリット

派遣会社にとって、Web広告を活用するメリットは、「いつか転職したい」と考える潜在層にアプローチしやすくなる点です。

求人媒体を見ている求職者は転職を積極的に考えている人材であることが多いですが、「ディップ総合研究所」の調査によると「29歳以下の4割以上は‟現在”あるいは“いずれ”「離職・転職を考えている」と回答しています。

このことからも良い仕事があれば転職したいと考えている人材は非常に多く、そうした人材に向けてWeb広告であれば効果的にアピールできます。

引用元:半数以上が仕事探しをしていないときも「求人サイトを見る」 スカウトメールの希望は約6割

Web広告のデメリット

派遣会社にとって、Web広告を活用するデメリットは、即効性にかける点です。

たまたま求職者にとって「前から転職したいと思っていた」企業のWeb広告が表示されれば、応募まですんなりつながるかもしれませんが、「なんとなく良い企業はないか」と探している求職者にとっては複数回のアプローチが必要になります。

効果が出るまでは結果を踏まえた繰り返しの改善運用が必要なことを理解した上ではじめましょう。

有料の採用手法:採用ページの立ち上げ

有料で行える採用手法の5つ目は、採用ページを立ち上げる方法です。採用ページはホームページとは別で、独立したリクルートサイトとして制作します。

とくに採用ページ作成ツールを使用すれば求人の検索エンジンに転載されやすいよう、最適化することが可能です。また応募者管理ができる採用ページもあります。自社で簡単に採用ページを作成することができるツールを導入している派遣会社は年々増加しています。

採用ページのメリット

派遣会社にとって、採用ページを活用するメリットは、案件管理〜応募者対応まで一括で行える点です。工数が多くなりやすい派遣会社だからこそ、採用ページを保有していることで業務効率をあげやすくなります。採用ページであれば簡単に編集できるため、急な案件修正や停止もリアルタイムで対応が可能です。

採用ページのデメリット

派遣会社にとって、採用ページを活用するデメリットは、多少なりとも手間がかかってしまうことです。

採用ページの作成や求人原稿の作成など「すべての作業を丸投げしたい」と思っている派遣会社は、原稿作成代行を依頼したり、求人媒体の利用のみに絞ったりした方が良いです。

ただし作業自体はシンプルなツールが多く、日々の業務を効率化する機能がたくさん搭載されています。「面倒なイメージがある」という担当者は、一度ツールに触ったり、営業の話を聞いたり、問い合わせしてみるとイメージが変わるかもしれません。

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テンプレートも多く登録されているため、マニュアルに沿って選ぶだけで本格的な採用ページを簡単に立ち上げることができます。

まとめ

派遣会社の採用トレンドは日々変化しています。今回の記事を参考に最新の採用方法について学び、自社の採用活動に活かしましょう。 最後に紹介した「採用ページコボット」は、募集から応募者情報まで一括で管理することができる非常に便利なツールです。興味のある方は気軽に問い合わせてみてください。