派遣社員がすぐ辞める

「派遣社員はすぐ辞めてしまう」「もっと派遣社員に長く働いてもらえる工夫はないだろうか?」こんなことにお悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか?

派遣社員が辞めてしまうのは、いくつかの理由が絡み合って発生しています。今回は、離職理由に多いものを紹介していきながら、定着率を高める工夫について解説していきます。ぜひ最後まで読んで、派遣社員との長いお付き合いを増やしていきましょう。

派遣社員の離職率・傾向

派遣社員の離職率は8.5%といわれています。一般的に高い数値であり、世間のイメージも「派遣社員はすぐに辞める」というものが少なからずあります。

派遣会社でも、派遣社員が離職してしまうと派遣先からの信頼を失ったり、業務に穴があいてしまったりするため、頭を悩ませる課題です。

派遣社員はアルバイトのようなスポットのスタッフと、正社員のようなフルタイム勤務の2種類があります。正社員と派遣のフルタイムスタッフは同じ括りで比較しやすいため、正社員に比べると離職率が高い傾向にあります。

ただ、「同一賃金・同一労働」などのさまざまな制度改革により、2020年頃から離職率についても少しずつ改善傾向にあります。今後、派遣会社の取り組みと労働環境の整備で、さらに定着率が高まる可能性があるでしょう。

参照元:令和2年上半期雇用動向調査結果の概況(厚生労働省)

派遣社員の離職理由

派遣社員が離職する理由はさまざまで一概にいうことはできませんが、代表的なものを3つ紹介します。わかっていれば対策できるものもありますので、事前に把握しておきましょう。

職場環境

1つ目は、職場環境に不満を持って退職するパターンです。

具体的には給与や待遇に関するものですが、昇給がなかったり、交通費が払われていなかったりなど、改善の傾向がみられない場合は離職する人が増えています。

同程度の業務を同程度の責任で任されている場合は、「同一賃金・同一労働」の整備により賃金調整が行われます。今後少しずつ解消していくことが予測されます。

人間関係

2つ目は、職場の人間関係に不満があり退職するパターンです。

パワハラを行う上司やいやがらせを行う同僚などがいると、職場の居心地は一気に悪くなります。そういった行動を取る人は隠れて巧妙に動くケースが多いため、実態をつかめていない職場も多いです。

普段の声掛けや指導が行き届いていない場合は、人間関係の悪さが離職率の高さにつながっているかもしれません。

仕事内容

3つ目は、仕事内容が難しかったり、心身の負担が高かったりするパターンです。

重労働の作業は身体への負担が大きく長続きしないと辞めてしまうことも多いです。作業を協力して進めたり、分担できる部分を見つけたりしないと、定着率が上がらなくなってしまいます。

また、作業が難しく一人で進めていけないこともあります。周りの人に質問するにしても、何度も同じことを聞くことはできません。能力不足で離職してしまうこともあります。

指導の方法に課題があるのか、本人の能力不足なのか正確に課題を特定しなければ、誤った手立てを講じることになってしまいます。

家庭の事情や健康状態

4つ目に多い理由は、家庭の事情や自身の体調不良です。

この理由は、真意がわからない場合もあります。ただし、本当に家庭の事情であれば、面接の時点で把握しておく必要があります。

ご家族の事情や介護・育児など、状況が変わりそうな事象があれば気軽に相談できる関係性を作っておくことが重要です。また、健康状態に関しても、持病の有無などは確認しておけると良いでしょう。長く健康的に働ける職場づくりを目指すことで、こうした離職理由を減らせる可能性があります。

離職率の上昇による影響

辞めたい派遣社員

離職率が上がってしまうと、派遣会社にはどのような影響が出るでしょうか?具体的な例を3つ紹介していきます。

コストがかかる

1つ目は、コストがかさんでしまうことです。

1人離職されてしまうだけで、次の人員の獲得のために追加の求人費用をかける必要が生まれます。研修にかけたお金などの投資額も回収できないままとなってしまいます。

募集コスト、その間の人件費、案件に穴をあけてしまったぶんのマイナスを含めると、1人の離職が大きな影響をもたらすことは火を見るより明らかです。

時間がかかる

2つ目は時間も失ってしまうことです。

採用活動は、求人媒体会社との打ち合わせや面接、研修など多くの時間をかけて入職までつなげています。すべての時間を失ってしまうだけではなく、再度募集するためにまた一から時間をかけなくてはなりません。

さらに、離職した原因を解消するために対策を取りながら採用活動をするため、慎重になるケースも多いです。結果的に、倍以上の時間をかけて人材補給をすることになります。

派遣先からの信頼を失う

3つ目は信頼を大きく損ねてしまうことです。

派遣先は安定して人材を派遣してくれる会社を信頼します。すぐに人がいなくなるような会社の場合、リピート率は下がってしまいます。

何度も求人を掲載することで社会的な信用を損ね、求職者の中でも会社の評判が下がってしまいます。ネット社会となった今、会社の口コミや評判は会社選びの非常に重要な要素です。

各方面で信頼してもらえる企業になるためには、離職率をさげてのびのびと働ける労働環境を享受することが大切です。

定着率をあげるポイント

定着率は、何か一つ取り組めばすぐに改善するというものではありません。いくつかの対策を並行して進めていく必要があります。

ただ、長く働いてもらうことは会社にとっても大きな利益を生むことにつながります。根気強く取り組んでいきましょう。

ポイント

・派遣社員をこまめにフォローする
・事前に職場見学を行う
・チームや体制を見直す

派遣社員をこまめにフォローする

派遣会社は、派遣スタッフのフォローを大切にしてください。派遣会社の中には多忙のため社員への配慮ができず、いつのまにか不満が溜まって退職されてしまったというケースも多いです。

派遣社員のコンディションに気を配り、悩みや不安なことがあればフォローできるような体制を作りましょう。特に、就業したてのタイミングが一番重要です。連絡頻度をあげておくと安心感を与えることができます。

とはいえ、日々の業務に追われてそれどころではないという営業が多いと思いでしょう。そういった場合は、社内で共有をしておき、自分がいない場合にもケアできるようにしておくと良いでしょう。

また、電話や面談がベストではありますが、メールやLINEなどのSNSを活用しながらフォローしていくことも効果的です。「気にかけている」という気持ちが相手に伝わるように工夫してみてください。

事前に職場見学を行う

入職後に「こんなはずではなかった」というミスマッチが、離職につながる可能性もあります。はじめから職場見学をきちんと行い、あらかじめイメージを固めておきましょう。

職場見学をしたとしても、重労働や人手不足による不利な現場は見せず、当たり障りのない公共フロアで終わることもあります。業務時間の都合上仕方ない部分もあるかもしれませんが、できるだけリアルな現場を見せておくことが、後々の定着率を上げるためにも重要です。

チームや体制を見直す

人間関係の不和を解消するためには、組織作りがポイントです。

パワハラが横行していたり、派閥ができてしまったりするのは、組織が機能していない証拠です。派遣先に協力してもらいながらチームを作り直してみましょう。

特に女性は、群れを重要視する傾向が強くあります。どこかに属して複数人で固まることもありますので、パワーバランスが偏らないよう配慮すると良いです。

面白い取り組みの一つとして、星座や血液型の性格診断をもとに相性の良い4つのグループにわけて工場のラインに配置していたという会社もあります。人間関係がスムーズにいくだけで離職どころか職場環境が著しく改善していきます。

業績向上にもつながりますので、この機会に見直してみましょう。

教育担当を作る

離職するまでの期間が短い傾向が強い場合、導入時の研修が上手くいっていなかったり、指導する体制に課題があったりするケースがあります。

職場のみんなで教える体制も悪くはありませんが、教育担当を一人決める方がおすすめです。なぜなら、聞く人が決まっている方が人は安心感があるからです。さらに、社員によっては自己流のやり方を身につけていて「聞く人によって回答が違う」ということが起こりうるためです。

基本的にはマニュアルに沿って基礎を身に付けた上で、自分なりのテクニックを身につけていくものです。派遣社員の心理的負担を軽減し、業務スキルを身に付けていくためには教育担当が一貫した指導を行う方が良いでしょう。

研修制度を見直す

研修制度やマニュアルそのものを見直すことも視野に入れましょう。派遣社員がすぐに辞めてしまわないように、丁寧な研修制度があると良いです。次の順番に考えていくと良いでしょう。

研修制度の決め方

・スケジュールを決める
・プログラムの内容を決める
・同行など実現場で先輩と行動する期間を決める

見落としてはならないのは、社内ルールについての研修です。業務内容に注目しがちですが、社内で独自のルールがあるなら一緒に共有しておくことを忘れないでください。意外とそういった共有漏れによる指導でストレスを感じてしまうケースも多いです。

採用ターゲットを見直す

入職した派遣スタッフがあまりにもすぐ辞めてしまうようであれば、採用ターゲットそのものがずれている可能性もあります。

  • 業務内容が複雑なのに未経験者ばかり集めて挫折してしまう
  • シンプルな業務内容なのにスキル保有者を採用している
  • 年齢層に大きくギャップがあり、馴染めていない

新しいスタッフによる環境変化を図るために、あえてギャップの強い人材を入れることもありますが、離職率も高くなる可能性があります。

たとえば、高齢化している職場に若手を入れたいという希望なら、同期を作って複数で入職させたり、フォロー体制をより手厚くしたりしましょう。難しいようであれば、採用ターゲットを変更できないか、派遣先の担当者と一緒に考えてみましょう。

採用フローを見直す

最後は、採用フローの見直しです。

急いで入職までつなげたいあまり、細かな説明や研修を短縮していないでしょうか?また、派遣会社に登録する際のチェックポイントや、紹介先の決め方など応募から採用までの流れを見直してみると課題が見つかることもあります。

採用活動が丁寧な会社は、人を丁寧に扱うイメージがあります。さらに、多くの出会いを作るためにも、求人媒体の選び方~掲載数も改善することが重要です。

若年層向けのネットサイトをメインに使っているのであれば、地域密着型の紙面媒体も利用して中高生にターゲットを変えてみるなど、訴求先を変えるだけでも応募の内容が変わっていきます。

まとめ

派遣社員がすぐ辞めてしまうことは、自社の営業やコーディネーターの士気もがぐっと下がってしまいます。定着率を上げて長く働くスタッフを増やすためにも、今回紹介した取り組みを試してみてください。

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