派遣社員の仕事の探し方

派遣を希望している人の仕事探しも年々多様化しています。派遣会社のみなさまは、ターゲットとなる人材がどのように仕事を探しているのか気になるかと思います。

今回は、求職者の思考や仕事探しのポイントや注意点についても紹介していきます。自社で掲載している求人原稿や手法と比較しながら参考にしてみてください。

派遣社員が仕事探しに使うツール

まずは、派遣社員が仕事をしようと思い立ったときに使うメインツールを3つ紹介します。

求人媒体

一番多いのは、求人媒体を検索して直接応募する方法です。スマホで簡単に探して応募ができるため、応募から面接までのスピード感が早いこともポイントです。

求人媒体は近年多様化を極めており、派遣・飲食・販売・ブルーカラーなど業種や職種別に分かれた専門媒体も増えてきました。派遣案件は通常の求人媒体にも掲載されていますが、派遣の専門媒体であれば探しやすい検索軸・仕様になっています。

登録先の派遣会社も求人媒体で探すことが多いです。案件を直接探す人もいますが、派遣会社そのものを探すパターンも多数存在します。

派遣会社にとっても求人媒体は一番気軽に使いやすく、集客のコントロールがしやすいため、後述で掲載時のポイントについても詳しく解説していきます。

ハローワーク

ハローワークは、職業紹介事業を行う機関です。職業訓練やスキルアップ講座の開設なども行われており、国が運営する機関なので対象者は無料で受講することができます。

また、申請作業のために失業者が最初に行く場所でもあるため、仕事探しの意欲が高い人材が多く集まっている場所です。フォローアップ体制は派遣会社の方が手厚く、基本的には求職者が能動的に動いていかないとスムーズに採用活動を進めることは難しいでしょう。

コロナ禍を機にネット上で完結できることも増え、企業はハローワークに来所せずに案件を登録できるようになりました。案件登録は無料でできるため、採用単価をかけずに採用することができます。

男女別の利用割合は異なっており、男性の割合が高いです。年齢層は40~60代の人材が多く、若手の集客には弱い点と、応募から採用までのスピード感は求人媒体に劣ることが特徴です。

参照元:ディップ総合研究所 派遣社員の今後の仕事探し

人からの紹介

紹介で採用することもあります。基本的には現職のスタッフからの口コミで広がったり、知り合いを直接連れてきてくれたりします。

紹介は、派遣会社がコントロールすることができないため、受け身の採用活動になりがちです。ただ、紹介で入社したスタッフは定着率が良いことが多いです。既存スタッフとのつながりがあることが大きな理由で、なかなか辞めにくかったり、馴染むのが早かったりします。

お金もかからないため、口コミでも評判が良い会社や、スタッフの満足度が高い会社であれば紹介で良い人材を獲得していける可能性があります。

派遣社員の仕事探しのポイント

派遣社員が仕事を探す際にはポイントが6つあります。事業者の方は競合他社に競り勝てるような求人を作るためにも、見つけてもらいやすい原稿作成のヒントにしてみましょう。

ポイント

①仕事内容
②給与
③勤務時間・休日
④勤務地・アクセス
⑤福利厚生
⑥派遣会社の評判やサポート体制

①仕事内容

1つ目は派遣先で行う仕事内容です。仕事内容については求職者がもっとも気になるポイントだといわれています。ただ明確に仕事内容をイメージできるくらい具体的に記載できていない企業が多いのも実情です。

そのため、未経験の方でもイメージできるくらい細かく原稿で表記することができれば、求職者に安心感を与えることができます。細かい記載を行うコツは具体的な数字やモノにたとえることです。

(例)
軽量の製品を仕分け・梱包するお仕事です。
↓
片手にも収まる大きさで、1つ300gほどのパーツを、1日200~300個仕分け・梱包していくお仕事です。

具体的なイメージができるため、リアルな情報を届けることが出来るようになります。さらに、マニュアルの有無や業務の引き継ぎの有無についても気にしている求職者は多いです。先輩に口頭で教わるだけでは不安に感じる求職者も多いということです。

具体的なイメージができるため、リアルな情報を届けることが出来るようになります。

「先輩が丁寧にフォローします」と記載するよりも、「業務内容についてはマニュアル完備で安心できます」と書いてある方が安心感を与えることができます。

引継ぎの期間を設けているならその点についても書いてあげると良いでしょう。

②給与

2つ目は給与条件です。求職者は同じような仕事であれば確実に給与を比較します。給与を記載するときは、必ず下限と上限を明記してください。

上限に関しては能力や経験によって変動があるかと思います。あくまでも事実ベースであればいくらでも構いませんので、書き漏れないようにしてください。

時給を書いた上で、月収も計算してみてください。月収例は、手当なども含めた金額を計算します。週3日勤務の場合、週5日勤務の場合など書き分けてあげると具体的な月収イメージを持たせることができます。

時給表記よりも金額を大きく見せることができるので「稼げる」というアピールにもしやすくなります。

③勤務時間・休日

3つ目のポイントは、勤務時間や休日についてです。シフトの入り方で、どれだけ融通を利かせることができるのかチェックされますので、もし都合をつけやすい職場であれば積極的に書いてあげましょう。

勤務時間はもちろんですが、残業の有無や時間についても求職者は目を光らせています。残業なしと書ければベストですが、ある場合は「稼ぎ」「平均時間」「選択肢」について触れてみましょう。

残業代が増えて大幅に稼げるならアピールポイントに置き換えることができます。残業の平均時間も1日1時間程度であれば応募にも大きく響きません。また、残業の有無を選べる案件もあります。希望があれば残業も可能という書き方にすれば、求職者に寄り添った姿勢を見せることができます。

④勤務地・アクセス

4つ目は職場までのアクセスや勤務地の場所です。製造関連職の派遣に多いのですが、駅から遠くアクセスの悪い案件も多くあるかと思います。

そういった場合、最寄り駅は避けて、バス停や近隣の公共施設を書いてあげましょう。

「〇〇駅から徒歩28分」と書いてあるよりも、「バス停 △△より徒歩3分」と書いてある方が具体的にイメージしやすくなります。こちらもなるべく細かく、地元の人間になったような気持ちで「国道〇号線の十字路を東に入り、◆◆小学校の近く」などと記載していきましょう。

面接地なども同じ要領で、知らない方でも迷わないために、細かく書いてあげるよう意識してみてください。

⑤福利厚生

5つ目は福利厚生の書き方です。福利厚生はきちんと派遣先にヒアリングして、書けるものはすべて洗い出しましょう。

派遣会社としてサポートしているものはもちろんですが、派遣先の休憩室の有無、鍵付きロッカー、電子レンジやドリンクサービスなど一通り確認してください。意外と自社の魅力に気がついていないケースもあります。派遣会社側が探してあげるつもりでピックアップしていくと良いでしょう。

また、正社員登用制度の有無も気にしている人は多いです。実績があれば一緒に記載すると、良い派遣先なら長く働いてキャリアを積みたいと考える方を安心させることができます。

求職者に人気なのは交通費全額支給、資格取得支援や研修制度の有無、社員食堂などです。給与やシフトで差をつけにくいときは、福利厚生面のアピールをすることも効果的です。

⑥派遣会社の評判やサポート体制

6つ目のポイントは派遣会社が用意しているサポート体制や、会社の評判です。派遣先を探す求職者は派遣会社がどのような評判を得ているのか口コミを調べる方が多いです。

  • Google ビジネスプロフィール
  • 企業の口コミサイト
  • SNSなどの書き込み
  • 派遣会社を紹介したブログ

以上のサイトに悪い評判が書かれていることがないか確認しましょう。もしも自社でコメントできる機能がついているサイトであれば誠意を持って返信をしておくことがおすすめです。

逆に、良いコメントが多くなればその分派遣会社としての信頼も獲得しやすくなります。そうしたサイトで良くない書き込みを増やさないためにも日頃から真摯に対応していくようにしましょう。

営業担当が丁寧な伴走やこまめな面談を行い、派遣社員に寄り添っていくことが重要です。

派遣社員を採用するための注意点

派遣社員を採用するときには、次の3点に気を付けましょう。多くの応募を集めるためにおさえて欲しいポイントです。

注意点

・大手派遣会社との差別化
・研修制度があればアピールする
・求人数を多く掲載しておく

大手派遣会社との差別化

1つ目は大手派遣会社との差別化を意識することです。大手には勝てないと思っている事業者もいるかもしれませんが、大手には大手の強みがあり、中小企業は中小企業にしかできないことがあります。

こまやかなフォローや地域との密接なつながりなど数字にはできない部分も含めて洗い出すことが重要です。ホームページに営業スタッフのプロフィールを開示して心理的な距離感を縮めたり、スピード感のある対応をしたり、小規模だからこそできることは多くあります。

自社が大切にしていることを強く打ち出し、他社との差別化を図れるようにしましょう。

研修制度があればアピールする

2つ目は研修制度についてです。派遣会社独自の研修制度を整え、未経験者を育てる会社も増えてきました。マナー研修、英会話、PCスキルなどさまざまな研修制度があります。自社で人材育成を行い、育った人材を派遣することで高いスキルを提供できるようになります。

こうした育成・研修制度を用意している会社は積極的にアピールしていきましょう。未経験者の応募ハードルが下がり、他社とも大きな差別化となります。

求人数を多く掲載しておく

求人原稿の数を増やすことも行っていきましょう。求人原稿から応募を集めるときに重要なのは多くの露出です。露出を高める方法はいくつかあります。

  • 媒体数を増やす
  • 認知度の高い媒体に掲載する
  • 原稿数を増やす
  • 集客手法を増やす

上記のような手法の中でも、ある程度認知度の高い媒体に原稿数を増やして掲載する方法が、もっともコストパフォーマンスの高い方法です。

複数の原稿を掲載すると掲載料が膨らんでしまうため、複数原稿を安価で掲載できる枠型商品や「AirWork」や「engage」などの無料媒体をうまく活用すると良いでしょう。

まとめ

派遣社員が仕事を探すときの思考やポイントを掴めてきたでしょうか?きちんとした求人原稿を掲載すること、露出を高めて自社の魅力をアピールすることが重要です。

派遣会社にとって優秀な人材を多く獲得できるようになればその分業績にも直結します。効率よく集客できるように、今回の内容を参考にしてみてください。

また、当社ディップ株式会社が運営している「採用ページコボット」は有効的な採用サイトの作成に大きく寄与します。

フローに沿って自社や案件の情報を入力していくだけで、サイトが完成するので手間をかける必要がありません。求人数を増やすための原稿作成や流用作成もスムーズに行えます。

さらに応募集客のための無料媒体への転載や管理工数の削減で業務効率を一気にあげることができます。応募が増えてきたら、「HRコボットfor応募対応」を導入して応募者管理を行いましょう。

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