【2022】派遣社員との「面談」と「面接」の違いとは?

派遣先と派遣社員が面接をすることは禁止されています。代わりに、面談・顔合わせがあります。

今回は、その違いを紹介していきながら、実際の流れについても解説していきます。また、後半では事前準備に必要なことも説明しています。

面談の流れを把握することは、求職者はもちろん、派遣会社にとっても派遣先の信頼を獲得する大切なポイントです。良いマッチングをたくさん生み出すためにも、最後までチェックしてみてください。

派遣社員との面接について

派遣社員と派遣先の面接は禁止されています。まずは、詳しい理由や面談と面接の違いについて解説しましょう。

面接は法律で禁止されている

派遣先が派遣社員の面接をすることは、労働者派遣法で禁止されています。労働者派遣法第26条第6項によると、次のように記されています。

労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない

派遣会社に所属している派遣社員を面接することは、職業安定法で禁止とされている「労働者供給事業」に該当する二重雇用にもつながります。派遣社員を雇用しているのは派遣会社であるため、派遣先が雇用してはなりません。

面談は派遣会社が促すのではなく、あくまでも「派遣社員が面談を希望している」ということが前提になります。

その他にも、禁止されていることがあります。たとえば、派遣社員が正当な労働機会を得るために、適性テストの実施や年齢や性別での選考もしてはならないとされています。

ただし、面接できないからといって、書類上の情報だけで派遣してしまうと派遣先と派遣社員の双方にとって不明確なことが多すぎて良くありません。そういったトラブルを防ぐためにも、面談は重要な要素を担っています。

紹介予定派遣は例外

ただし、紹介予定派遣だけは例外です。紹介予定派遣の場合、派遣スタッフとして一定の期間雇用されたのち、正社員登用を前提としているため、面接が実施されます。

派遣期間の間にスキルを身に着けて、ゆくゆくは正社員として派遣先に雇用されるため、面接が認められているのです。合否判定があり、ほぼ正社員と同じ内容の面接が行われますので、混同しないようにしてください。

派遣先が行うのは顔合わせ

「面接は禁止と言われているのに、就業前に派遣先の人と会う機会があった」という方がいることでしょう。それが「顔合わせ」や「職場見学」です。面接の代わりに顔合わせという形で派遣社員と会話をし、認識の擦り合わせを行っていきます。

派遣先は、元々書類選考をできない代わりに、派遣会社から「スキルシート」と呼ばれる専用の書類を共有されています。スキルシートをもとに、直接会うことでお互いのスキルをチェックする目的があります。

面接ではないので、業務に関する説明や派遣社員の能力アピールがメインとなり、問題ないと判断されればそのまま入職となります。

派遣社員と派遣先だけではなく、派遣会社の営業担当も同席した上で、3人で顔合わせを行います。コロナ禍の影響により、面談をWebで行う会社も増えていますが、できれば訪問をして実際の職場を見てもらう方がおすすめです。

面接と面談の違い

面接と面談の大きな違いは、選考か否かという点です。派遣先から不採用にする権利はありません。

面談を行う目的としては、派遣先が能力を確認するだけではなく、派遣社員が疑問や不安を解消する場でもあります。派遣社員の離職率は、一般的な正社員と比較して高い傾向にあるため、事前面談を挟むことでミスマッチを防ぐことが目的です。

職場見学を行うことで、実際に働く現場の雰囲気も掴めるようになるでしょう。

  • 思ったよりも人が多い
  • 体力仕事が多そう
  • わきあいあいとしている
  • 先輩スタッフが親身に指導している
  • 同じ派遣会社のスタッフが多い

上記のような印象は、職場を見なければわかりません。業務内容についても百聞は一見に如かずということで、具体的にイメージできるようになるというメリットがあります。

面談では合否はないものの、派遣会社そのものに取り下げられることはあります。業務スキルを確認するための面談なので派遣先での業務内容にふさわしくないと判断された場合、契約が破棄されます。

面談を受ければ必ず働けるというわけではないことには気をつけてください。

派遣先との面談の流れ

派遣の面談

続いては、派遣先との基本的な面接の流れを紹介しましょう。

顔合わせ・自己紹介

まずは顔合わせを行い、簡単な自己紹介を行います。自分のスキルやこれまで頑張ってきたこと、前職での経験などをアピールしていきましょう。

事前に企業のホームページなどに目を通しておき、業務内容に関して自分の役に立ちそうな知識・資格・経験についてまとめておくと良いでしょう。

名前や住所・年齢など個人的な情報を開示する必要はありませんので、あくまでも業務に関係する部分を中心に話していくようにしてください。

仕事内容の擦り合わせ

次に派遣先から業務内容を説明してもらいます。任せたい仕事について、一日の流れやどんな目標を掲げて取り組んでほしいか擦り合わせを行います。

他にも、次のような項目に沿って派遣先が詳しく説明してくれます。

  • パソコンや他端末の使用の有無やソフトウエア   
  • 派遣先のスタッフの年齢層や男女比率    
  • 1日の仕事の流れ
  • 残業について  
  • マニュアルや研修の有無
  • 職業環境の雰囲気

補足的な説明として、朝の出勤時間や会社独自のイベントの有無についてなどの説明がされます。派遣社員は、具体的な業務内容をイメージしながら話を聞くことが重要です。

スキルチェック

次に、スキルシートを使った能力チェックを口頭でも行っていきます。スキルシートは派遣会社で事前に記入してもらい、派遣先に共有されているものです。派遣社員がどのような経歴・能力を持っているか記載されています。

・PCの操作性:Word、excel、PowerPointの使い方

スキルチェックで確認されること

・タイピングテスト:タイピングスピードや正確性のチェック
・計算問題や一般常識テスト

ただ、文面で書いてあるだけではわからないこともあります。そのため、専門的な会話をしながらどの程度能力があるのか、業務経験はどのくらいあり、どんな功績を残したかについて話をしていきます。

質疑応答

お互いの認識をさらに深めるために、質疑応答の時間も設けられます。一通りの内容を聞いた上で、不安なことや疑問があれば3つほど質問してみましょう。

他のスタッフについて、残業の有無などを確認しておくことでミスマッチを防げます。ホームページなどを見ればわかるような内容は避け、調べてもわからないことを中心に聞いてみてください。積極性をアピールすることが大切です。

一例として、よくある質問を紹介しましょう。

よくある質問

・先輩スタッフから引継ぎの有無や引継ぎ期間はあるのか?
・同じ業務を行うスタッフは何名ほどいるのか?
・分からないことがあれば確認できる先輩はまわりにいるのか?
・研修制度やカリキュラムはあるのか?
・派遣スタッフと正社員の割合はどのくらいなのか?

具体的に業務内容をイメージしていなければ出てこない疑問も多いため、しっかりと考えている印象を与えることができます。 すべての流れの中でいえることですが、派遣先からの質問で答えなくても良いものもあります。

回答しなくて良いもの

・個人の思想や趣味について
・氏名や年齢について
・家族構成や配偶者の有無について
・本籍地や最寄り駅について

業務に関係のない個人的な内容については答える義務はないので安心してください。

職場見学

最後に、職場見学を行います。実際の勤務場所を見ることで、説明を聞くよりもずっと具体的に業務のイメージを掴むことができます。

事務系の職場ではそこまでインパクトはないかもしれませんが、工場・製造系の職種の場合扱う商品やオペレーションの流れをみることではっきりとした業務フローを確認することができます。

日中であれば働いている先輩・同僚の雰囲気も確認させてもらえるため、派遣社員のモチベーションを上げることもできます。

顔合わせが15~20分くらい、職場見学が30分くらいを見ておくと良いでしょう。合計して1時間くらいかけて終了となります。

派遣社員との面談をスムーズに進めるコツ

続いては、派遣社員と派遣先がスムーズに面談を進められるコツを3つ紹介しましょう。

いずれも事前準備が重要なポイントです。当日緊張してしまわないように派遣会社の担当者と協力しながら準備をしておきましょう。

コツ

・事前に質問を用意しておく
・自分のスキルを整理しておく
・清潔感のある外見に整えておく

事前に質問を用意しておく

1つ目は、事前に聞きたい質問を用意しておくことです。

「何か質問はありますか?」と聞かれた時にとっさに考えるのは大変なので、気になることは事前にまとめておきましょう。面談の中で自然に疑問が解消されることもあるかと思います。その際は、「とくにありません」と答えれば大丈夫です。

できれば、業務内容についての質問などが望ましいです。事前に勉強しておいた方が良いことや取得しておいた方が良い資格を聞くことで、業務に対して前向きな印象を与えることができます。

経験がないことや、勉強が必要なことであっても「これから頑張りたい」という前向きなアピールをしていくことが大切です。また、給与や勤務条件についての質問は派遣会社に聞くと良いでしょう。

自分のスキルを整理しておく

面談の前に自分のできることやスキルを簡単にまとめておくと良いでしょう。とっさに質問されても答えられなかったり、自分のしてきた業務に漏れがあったりしてはなりません。

事務系であればタイピングの速さや使用可能なソフト、営業系であれば目標達成率や売上金額など細かな部分も確認しておくと良いです。

結果をアピールすることも大切ですが、プロセスも重要です。取り組みを行った理由、挫折したことや乗り越え方も併せて伝えると効果的です。

スキルシートに書けなかったぶんについては、面談時にはっきりと伝えましょう。

清潔感のある外見に整えておく

メラビアンの法則によると、第一印象は見た目の印象が55%といわれています。面接ではないとはいえ、お互いが気持ち良くマッチングするためには好印象を持ってもらえるように意識しましょう。

次の点を心がけると、清潔感のある印象を持ってもらいやすくなります。

  • 服装はスーツかオフィスカジュアル
  • きれいに磨かれた靴
  • まとめられた髪
  • シワや汚れのない衣服
  • 男性ならヒゲ剃り・女性なら華美ではないメイク

派遣会社の担当も同席するため、面談前に気になる点がないか確認してもらうと良いでしょう。

まとめ

派遣社員は、面接の代わりに面談を行うことは理解できたでしょうか?面談で好印象を獲得できれば、その後の入職までスムーズに進めることができます。派遣会社と協力しながら好印象を獲得しましょう。

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