営業におけるアイスブレイクとは?実践で使える例と行う際のポイントを解説

営業におけるアイスブレイクとは、初対面の顧客との会話の緊張を和らげるために欠かせない手法です。アイスブレイクを活用することで、信頼関係の構築や商談をスムーズに進めることができます。

しかし、アイスブレイクで何を話したらよいのかわからないことはありませんか。アイスブレイクは単なる雑談ではありません。相手から警戒心をもたれずに会話を引き出すためのポイントがあります。

この記事では、営業におけるアイスブレイクの具体例や効果的な方法について解説します。避けるべき話題や不要なケースについてもまとめました。適切なアイスブレイクを取り入れて、商談の成功率を高めましょう。

営業におけるアイスブレイクとは?

営業におけるアイスブレイクとは、商談前の緊張感を和らげてスムーズにコミュニケーションをとるための手法です。商談で顧客との信頼関係を構築できる効果もあります。

まずは、営業におけるアイスブレイクとはなにか、詳しく解説します。

アイスブレイクの定義

営業におけるアイスブレイクとは、商談や初対面の人と接するときに、場を和ませてスムーズにコミュニケーションをとるための手法のことです。

「アイス」とは、堅苦しい雰囲気を表しており、その空気を「ブレイク(打ち砕く)」という意味でアイスブレイクと呼ばれています。

アイスブレイクは単なる雑談ではありません。同じ雑談でも、相手の興味や関心のある話題を振るかどうかで得られる効果は変わります。

しかし、初対面の相手が何に興味や関心をもっているのか察するのは難しいものです。アイスブレイクの鉄板ネタとして広く知られているのは「季節」「娯楽」「ニュース」「天気」「家族」などです。

こうした誰もが経験しているネタなら、スムーズなコミュニケーションにつながりやすいでしょう。

アイスブレイクの効果

初めて会う相手とは信頼関係が構築されていないため、警戒心などもあり緊張していることは少なくありません。アイスブレイクで雑談を取り入れることで、お互いの緊張がほぐれ、初対面でも話しやすくなる効果があります。

とくに自身に関係のある話題や共通する話題は、場も盛り上がりやすく、お互いのことを知る手段として効果的です。

相手からスムーズに話を引き出せることで、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性も期待でます。こうしてアイスブレイクで商談をスムーズに進めるための基盤を作るのです。

会議におけるアイスブレイクでは、参加者全員がリラックスできることで、その後の会話が活発になる効果が期待できます。一人ひとりと雑談するのは難しいため、ゲームを取り入れるのも効果的です。

長引かないように、全員が参加できて短時間で終わるゲームを取り入れるとよいでしょう。

アイスブレイクのタイミング

アイスブレイクは、自己紹介や名刺交換など商談が始まるタイミングで行うのが一般的です。相手と出会ってすぐのタイミングは、場の空気が作られていないため、話題を振りやすい傾向があります。

警戒心を持たれる前に、話題を振ることでコミュニケーションが始まり、リラックスした状態のまま商談に進めることができるのです。

しかし、最初ではなく、商談の終わりに行うことが有効なケースもあります。緊張感のある商談や会議では、そのままの雰囲気では良い印象で終わることができません。
アイスブレイクを行うことで、リラックスした状態でクロージングに進めることができます。

アイスブレイクを行うときは、状況に応じて挟むタイミングを見極めましょう。

営業におけるアイスブレイクの例

営業におけるアイスブレイクの例としては、軽い雑談や相手を褒める、名刺を使った話題づくりなどがあります。商談の最初の段階で緊張を和らげ、リラックスした雰囲気を作るのに効果的です。アイスブレイクに役立つ例について詳しく解説します。

木戸に立ちかけし衣食住がアイスブレイクの鉄板

アイスブレイクには鉄板ネタがあります。広く知られているのが、雑談のテーマの頭文字をとった「木戸に立てかけし衣食住」です。テーマが複数あるので覚えやすいようになっています。

テーマ
季節・気候「今日は暑いですね。徒歩での移動は大変ではありませんか」
道楽(趣味)「好きなスポーツはありますか?」
ニュース(時事)「先日のサッカーの試合をご覧になりましたか」
「○○へ旅行へ行ったんですが、行ったことありますか」
天気「予報が外れて雨になりましたね。傘はお持ちですか」
家族「そういえば、お子さんはいくつでしたか」
健康「最近肩こりがひどくて。なにかおすすめの方法ありますかね」
仕事「月末が近くなるといそがしくなりませんか」
ファッション「いつも素敵なシャツを着ていますね」
グルメ「中華はお好きですか?」
住まい「賃貸と購入どちらを考えていますか」

それぞれのテーマの切り口をもっておくと、相手が違ってもスムーズに話しやすくなります。ポイントとしては「相手のプライバシーに踏み込みすぎない」ということです。

「木戸に立てかけし衣食住」として、「て(天気)」を「ち(知人)」とするケースもあります。「ち(知人)」のときは「A社の○○さんはご存じですか」といった、共通の知人を探す質問が効果的です。

「か(家族)」と「け(健康)」をテーマにするときは、相手の情報を引き出すというよりも、自身もテーマについて話して打ち解けることを意識するとよいでしょう。

相手を褒める

相手を褒めるときは、具体的なポイントを挙げることが重要です。たとえばオフィスに通された場合、オフィスの立地や環境、内装のデザインなど褒める要素を見つけてください。こうした要素は相手に不快感をもたれにくく、話しやすい雰囲気を作れます。

また、顧客の業績などを事前に調べている情報をもとに、仕事に対する姿勢を褒めるのも効果的です。
「先日のプロジェクトが成功を収めたと聞きました。どのように取り組まれたのでしょうか」と聞くことで、相手の話を引き出しやすくなります。

ここでとりあげるのは、綿密に調査した内容ではなく、相手が発信している情報から選ぶのがコツです。X(旧Twitter)やFacebook、YouTubeなどのアカウントを調べてみて、褒める要素を探してみましょう。

ただし、褒めるときは過度に持ち上げたり、誇張した表現をしたりするのは不快感を与えてしまうため、避けることが大切です。自然な褒め言葉を伝えることで、信頼関係を構築することが可能です。

名刺をネタにする

名刺はビジネスシーンのコミュニケーションに欠かせないアイテムです。名刺交換の際に相手の名刺を見て、名刺のデザインや特徴を話題にしてみましょう。

名刺交換から自然にアイスブレイクへ進めることができます。名刺に記載された名前に触れるのも効果的です。

「○○さんとおっしゃるんですね。もしかして○○県のご出身ですか?」といった質問なら、そのまま「家族」や「旅」などの話題へつなげやすく会話を広げることができます。

営業におけるアイスブレイクで避けるべき話題と不要なケース

営業におけるアイスブレイクは、テーマによっては相手に不快感を与えてしまうため、話題選びが重要です。ここでは、営業でのアイスブレイクで避けるべき話題と不要なケースについて解説します。

アイスブレイクで避けるべき話題

営業におけるアイスブレイクでは、いくつか避けるべき話題があります。これらの話題は相手に不快感を与えたり、商談の雰囲気を悪くしたりする可能性があるため、注意が必要です。

まず、政治や宗教に関する話題は避けてください。個人の信念や価値観に深く関わる要素として、ビジネスシーンでは避けるべき話題とされています。リラックスどころか、不必要な緊張を招くリスクもあるため、注意しましょう。

学歴に関する話題も、相手によってはコンプレックスに感じることがあるため、避けたほうがよいです。会社や仕事の不満も、自社や相手の会社に対してネガティブな印象をもたれやすくなります。

「家庭」や「健康」に関する質問も深く踏み込んではいけません。話の進み方によっては相手のプライバシーを侵害する質問となります。

気持ちよくアイスブレイクを終わらせて商談に進めるためにも、一定の距離感を意識しつつ、あくまで場を和ませることを目的に行いましょう。

アイスブレイクが不要のケース

アイスブレイクは商談の雰囲気を和らげるのに効果がありますが、やらなくてもよいケースがあります。

たとえば、商談時間が短いときです。限られた時間内に終わらせなければならないため、早く本題に入らなければなりません。アイスブレイクに時間をかけずに、直接本題に入ることで相手の時間を奪わずに、効率的に商談を進めることができます。

相手が雑談を苦手としているときもアイスブレイクは不要です。シャイな人や人見知りの人もアイスブレイクは逆効果です。余計に緊張させてしまうので、無理に話題を振らずに本題に入るようにしましょう。

また、何度も会っている人や良好な関係が築かれている人との商談もアイスブレイクは不要です。お互いに打ち解けているなら、アイスブレイクなしで本題に入るほうが効率的に進めることができます。

商談の時間や相手の状況・性格に応じて、アイスブレイクが不要なケースを見極めることが大切です。

アイスブレイクを行う際のポイント

アイスブレイクを行う際は、相手との共通点からテーマを見つける方法があります。事前に情報を収集して探すのもよいでしょう。目的を明確にしておくことも大切です。アイスブレイクを行う際のポイントを詳しく解説します。

自分と相手の共通点を探す

アイスブレイクを行う際には、自分と相手の共通点を探すことが重要です。共通点を話題にすることで、スムーズにコミュニケーションをとることができます。
相手も親近感を抱きやすくなり、リラックスした雰囲気で商談を進めることが可能です。

たとえば、出身地や趣味、家族構成などはすべての人に共通した話題として取り上げることができます。とくに趣味や最近のニュース、流行の話題などは共通して興味をもたれることが多いです。
初対面の人でも共通点を話題にすると、心理的な距離間を縮める効果があります。

こうした共通点を探すには、事前のリサーチが大切です。商談相手のSNSや企業のホームページなどをチェックして、相手の興味関心やバックグラウンドについて、情報を集めておきましょう。

こうすることでスムーズに相手との共通点を見つけることができます。

事前に企業や担当者の情報を収集する

アイスブレイクを成功させるには、事前に企業や担当者の情報を収集して、アイスブレイクのネタを考えておくのがポイントです。相手の情報から適切な話題を提供することができるため、スムーズな会話の流れを作ることができます。

情報収集は、相手のSNSや会社のホームページ、業界誌など業界ニュースを活用するとよいでしょう。相手が関心のあることや企業の最近の出来事を知ることができるため、アイスブレイクで適切な話題を提供することが可能です。

情報収集には「HRコボット for アポ獲得支援」が役立ちます。事前にテレアポでニーズなどをヒアリングしているため、情報収集にかける時間の削減が可能です。

商談に必要な情報を得たうえで、アプローチできるため、効率的な営業を行うことができます。

目的を明確にする

アイスブレイクを行うときは、目的を明確にすることが重要です。そもそもアイスブレイクの目的は、場の雰囲気を和らげることですが、話題によっては終わるタイミングがつかめず、ダラダラと話してしまうケースがあります。

アイスブレイクが長くなりすぎないように、商談の本題にスムーズに移行できるように心がけましょう。具体的には、アイスブレイクの時間をあらかじめ決めておく方法があります。時間内に終わらせることを意識しつつ話題を振り、相手の反応を見ながら会話を進めるのです。

相手の興味や関心を引き出すことを目的に進めることで、相手も話しやすくなります。相手の意見や感想を積極的に聞くことで、信頼関係の構築につながるのです。

単なる雑談で終わらせず、商談の成功につながることを意識しましょう。

オンライン商談ではプロフィール機能を使う

オンライン商談でもアイスブレイクは効果的です。オンライン商談によく用いられるZoomやMicrosoft Teamsにはプロフィール機能があります。このプロフィール機能を活用することで、名刺交換ができない状況でもアイスブレイクを進めることができるのです。

具体的には、プロフィールに自分の経歴や趣味、最近の活動などを紹介するテキストを入れておくことです。役職なども入力できるため、相手に立場や役割を伝えることができます。

オンライン商談は画面越しのやり取りになるため、相手の表情が読み取りにくく、リアルな商談よりも場の空気を読みにくいことがあります。言葉でのコミュニケーションが中心となることから、プロフィール機能を活用することで、共通点の発見や自然な会話を引き出すことが可能です。

まとめ:営業にアイスブレイクを取り入れて商談を成功させよう!

営業におけるアイスブレイクは、商談時の緊張を和らげて、相手との信頼関係を築くために欠かせない手法です。アイスブレイクを成功させるには、相手との共通点を探すための情報収集が大切です。
信頼関係を築くことができれば、商談を成功へ導くこともできます。

「HRコボット for アポ獲得支援」は、営業活動に必要なトークスクリプトやヒアリング結果を共有できます。テレアポの情報をもとにアイスブレイクを行うことも可能です。新規開拓営業のノウハウも社内に蓄積されるため、営業活動の属人化も防げます。

貴社の営業活動にぜひ「HRコボット for アポ獲得支援」をご活用ください。