営業リスト

営業活動において良い営業リストを用意しているかどうかは、業績に紐づく非常に重要なポイントです。

今回は、派遣の営業活動に必要な3つのリストについて、それぞれの作り方を解説します。業績がなかなか上がらず苦戦している派遣の営業担当の方は、今回お伝えするポイントを押さえて、再度自分のリストを見直してみてください。

また、「見直す時間がない」といった業務過多に苦しんでいる方は、ツールを導入するのがおすすめです。派遣会社専用の営業支援ツールを紹介するので、自社の状況に合わせて導入を検討してみてください。

営業リストの種類と特徴

営業リストは大きく分けて3つあります。それぞれの特徴について解説していきます。

営業リストの種類と特徴

・テレアポリスト
・飛び込みリスト
・既存顧客リスト

テレアポリスト

テレアポ営業リストとは、主に新規営業活動で使用するもので、架電するためにまとめられたリストです。見込み客を増やすために求人ニーズのある企業をピックアップしておくことで、テレアポをスムーズに進めることができます。

Excel(エクセル)やスプレッドシートなどで管理することが多く、近年は顧客との関係性を築くためのCRM(Customer Relationship Management)や、企業間の結びつきを強化するSFA(Sales Force Automation)、マーケティング活動を支援してくれるMA(Marketing Automation)ツールを活用することもあります。

それぞれの強みや特徴は異なりますが、どれも顧客情報を管理して効率良く営業活動を進めるためのITツールです。

飛び込みリスト

飛び込みリストとは、主に新規営業活動で使用するもので、飛び込み営業をするためにまとめられたリストです。

飛び込み営業は、やみ雲に行うのではなく、飛び込みリストを作成してそのとおりに行動していくことが基本です。

飛び込み営業はテレアポよりも効率が悪く、コロナ禍で対面接触を控えている企業に対しての効果は低くなってしまいます。しかし、テレアポでいつまでも接触ができないケースや、「営業とは顔を突き合わせてするものだ」「顔も見たことのない営業担当とは仕事したくない」と思っている顧客は一定層存在します。

そうした顧客に対して飛び込み営業は、営業担当の熱意を伝えやすくなるため大きな効果を発揮します。

飛び込みリストをあらかじめまとめておくことで、営業時間を無駄にせず必要な分だけ行動数を重ねることが可能です。

既存顧客リスト

既存顧客リストとは、主にルート営業活動で使用するもので、すでに取引のある顧客を管理するためにまとめられたリストです。

既存顧客を管理するためのリストは、新規のテレアポリストや飛び込みリストとは分けて管理しましょう。

既存顧客の場合、すでに取引があり顧客との信頼関係が築けています。そのため、これまで聞き出した情報を整理してまとめておくことで、スムーズな営業活動が可能です。

営業リストの作り方:テレアポの場合

テレアポで成果を出すためには、次の3つのポイントを押さえて営業リストを作成すると良いでしょう。順番に解説していきます。

テレアポの営業リストの作り方

・架電に必要な項目をまとめる
・ニーズのありそうな顧客をピックアップする
・リスト上限数を決めて入れ替える

架電に必要な項目をまとめる

1つ目は、架電する際に必要な情報を項目ごとにまとめておくことです。項目は統一させ、どの企業も同じ量の情報をキープできるようにしましょう。たとえば、次のような項目が必要です。

記載項目

・会社名
・住所
・役職/担当者名
・電話番号/メールアドレス
・業種
・ホームページ
・活動履歴

項目は、あまり増やし過ぎても良くありません。1件ずつじっくり確認していては、テレアポの効率が下がってしまいます。

テレアポは、テンポ良く集中して掛けていくことがポイントになるため、架電前に二の足を踏んでしまうと目標の行動数をクリアしにくくなります。リストには最低限の情報をまとめておくようにし、後は会話によってヒアリングしていくのがおすすめです。

ニーズのありそうな顧客をピックアップする

2つ目は、インターネットや求人媒体を使って、求人ニーズのある顧客をピックアップしておくことです。インターネット上に掲載されている求人情報をもとに、社名や連絡先を入手し、リストにまとめていきましょう。

派遣を依頼する企業は基本的に「人が不足している」状態なので、自社で募集をかけていることが多いです。ただし、募集している企業に対して、人材が不足しているのが日本の現状です。そのため、募集していても人が足りていない可能性もあるので、そういった企業にアプローチをかけられれば、契約できる可能性があります。

ニーズの有無を常にチェックしながら、テレアポリストをまとめておくと良いでしょう。

リスト上限数を決めて入れ替える

3つ目は、テレアポリストは企業数の上限を決めておき、入れ替えを行うことです。

一般的に、200~400社を企業数の上限として設定し、新しい企業を見つけたら見込みの低い企業と入れ替えると良いでしょう。見込みの低い企業とは、「3回以上断られている」「1ヶ月近く受付から決裁者に電話を回してもらえない」といった進捗のない企業を指します。

理想は、リストにある企業のすべてと顔見知りのような状態を作り、ニーズが発生した際に自身に相談が来るようにしておくことです。1000社のリストにやみくもに電話するよりも、200社のリストに定期的に接触して顧客の情報をつかんでおく方が売れます。

現在使用しているリストを見直したときに、ほとんど話したことがない企業ばかりという状態であれば、企業数が多すぎる可能性があります。リスト上限を決めておき、数をゴールにしたテレアポを行うのではなく「どうしたらこの顧客に接触できるだろう?」「この前断られたけれど、次はどうアプローチしたら良いだろう?」という方向に考えをシフトしましょう。

決められたリストに架電するのはコールセンターのアルバイトスタッフでもできることです。営業担当がテレアポする意味を考え、工夫しながら何度もアタックしていくことが重要です。

営業リストの作り方:飛び込み営業の場合

飛び込み営業をする際のリストはどのように作成したら良いでしょうか?次の2つのポイントに気をつけながら用意してみてください。

飛び込み営業のリストの作り方

・企業間の距離が空きすぎないようにする
・エリアごとにマッピングする

エリアごとにマッピングする

1つ目は、エリアを絞ってマッピングすることです。「〇〇市」のような単位ではなく、「〇〇市××区」といったより狭い範囲に限定したり、「〇〇駅から半径1キロ以内」といった絞り方をしたり、集中して回れるように作ることがポイントです。

また、テレアポリストのようにExcelソフトなどで管理する前に、実際のマップを見ながら考えると良いでしょう。町の様子や道の有無を確認しながら具体的に回り方をイメージすることができます。

企業間の距離が空きすぎないようにする

2つ目は、企業と企業の距離が空きすぎないように、順序を並べ替えながら整理することです。

新しい企業を飛び込み営業リストに加える際は、企業の所在地をチェックし、市町村ごとに並べると良いでしょう。企業と企業の距離が空きすぎてしまうと効率良く回れなくなるため、Google マップで担当エリアの距離感を把握しておくようにすると良いです。

飛び込みリストはリストを用いて実際の飛び込みを行うことが目的です。リストを見たときに、回り方をイメージできるようなリスト作成を目指しましょう。

営業リストの作り方:既存顧客の場合

既存顧客を管理する営業リストは、新規営業に必要なリストとは内容が異なります。より詳細な情報を整理して管理するため、3つのポイントを解説します。

既存顧客の営業リストの作り方

・個社情報が一元化できるようにする
・過去のやり取りを見られるようにする
・引継ぎを意識してまとめておく

個社情報が一元化できるようにする

1つ目は、個社ごとに情報を一元化できるようにまとめておくことです。

既存顧客の情報は過去に行ったヒアリングや最新の企業情報など統一せずにリストを作るとパッと見たときにどこをどう見れば良いかわからなくなってしまいます。特に、企業の最新の動きは常にリアルタイムで更新しておくようにしましょう。

新規事業の拡大、新しい職種の求人ニーズ、求人募集の停止など、企業担当として自身で情報収集をしておくことが重要です。

  • 会社の情報
  • 担当者の情報
  • 契約の内容

これら3つの項目ごとにページを分けて、紐づいた詳細情報を残しておくとわかりやすくなります。

過去のやり取りを見られるようにする

2つ目は、過去にやり取りした内容を記録しておくことです。

派遣会社の場合、営業だけではなく事務スタッフやアシスタントスタッフなども顧客と関わることがあります。誰が何を話したのか社内で共有しておかなければ齟齬が生まれてしまう可能性があります。

特に、トラブルが発生したときに対処が遅くなってしまうため、かならず過去の会話やメール内容は顧客リストにログを残しておきましょう。

引継ぎを意識してまとめておく

3つ目は、自分のためだけではなく、会社のことを考えて営業リストを作成することです。長く付き合ってくれる顧客こそ大切にしなければならないため、これまでのログ・会社情報・過去のトラブル記録・担当者の好みや注意点などを整理しておくと、既存顧客を管理しやすくなります。

営業担当の顧客は、「自分の顧客」ではなく「会社の顧客」です。今後、自分から別の営業担当に引継ぎをする際に顧客の情報が見つけにくい・わからないことがあると、会社の資産を失うことになります。

たとえば、「電話で連絡をする際は、連絡可能な日時をメールで確認してから行う」「午前中の方が対応してくれる確率が高い」「毎月訪問による定例ミーティングが必要」など、細かな情報もすべて共有しておくのがおすすめです。

とくに顧客の引継ぎはもっともトラブルが起きやすいタイミングです。「前の担当はわかってくれていた」「新しい担当に対して不信感がある」といったクレームが起きやすくなるため、引継ぎ用のメモ欄は大きく確保しておきましょう。

営業リスト作成は「HRコボットfor営業リスト」がおすすめ

HRコボットfor営業リスト

良い営業リストを作成するためには、ITツールを導入すると良いでしょう。中でも、株式会社ディップが提供している「HRコボットfor営業リスト」がおすすめです。ここでは、「HRコボットfor営業リスト」について詳しく解説します。

HRコボットfor営業リストの特徴

HRコボットfor営業リスト」は派遣会社専用の営業リスト作成ツールです。営業活動を支援してくれるツールであり、次のような特徴があります。

特徴

・最新の求人情報から検索条件を指定し営業リストを作成
・ログインするだけでリスト抽出が可能
・得意な業種やエリアで求人を出している企業に対して、出稿金額や職種などで絞り込み検索が可能
・CSVでダウンロードが可能
・市場において80%を網羅する求人情報の獲得が可能

リストの作成だけではなく、競合他社の動きをチェックできるため、そのまま営業活動に活かしやすい機能が複数搭載されています。

HRコボットfor営業リストの活用方法

HRコボットfor営業リスト」は、営業リストの作成になかなか時間を割けない企業に向いています。

たとえば、営業担当が自分でリストアップを行う場合、1社に5分かけたとすると、200社のリストを作成するのに1,000分(16時間以上)かけることになります。派遣の営業担当には営業活動以外にも多岐に渡る業務があり、リストアップだけに集中することができないものです。

そういった企業は、「HRコボットfor営業リスト」を導入することで、リストアップにかけていた時間を省くことができるようになるため、効率良く営業活動を進めやすくなるでしょう。

HRコボットfor営業リストの導入事例

2023年2月現在、「HRコボットfor営業リスト」は400社を超える派遣企業に導入されています。ここでは、導入することで課題が解消された企業の事例を紹介しましょう。

ファイブエージャパン株式会社

ファイブエージャパン株式会社は、北九州市小倉駅前に本社を構え、製造業を中心に人材派遣紹介業務、業務請負事業を展開する会社です。

課題

求人誌などから同業他社の出稿内容を確認していたため手間と時間が掛かっていた。新しいエリアの案件を獲得する際に、Web検索や求人誌などから情報を収集していた。1件のアポイントのために、片道4時間掛けて訪問をしていた。

導入結果

同業他社の出稿調査にかけていた時間を大幅に削減することができた。新しい業種・新しいエリアの案件獲得をする際に掛けていた、市場調査の時間が大幅に削減できた。遠方のアポイントでマッチングができなかった際に、近隣の案件を紹介するなど、効率的な営業活動ができるようになった。

株式会社広済堂ビジネスサポート

株式会社広済堂ビジネスサポートは、宮城県を中心に東北6県で人材派遣事業を展開している企業です。

課題

営業スタッフ各々が属人的な手段で、リスト作成などの営業活動を行っていた。スタッフのケアや既存顧客の対応など、業務の合間に営業リストを作ってテレアポを行うため、割ける時間に限りがあった。人員体制の見直しで営業スタッフの削減があった。

導入結果

HRコボットfor営業リスト」と「HRコボットforアポ獲得支援」を導入することで、各営業が行っていたテレアポの為の事前準備時間が短縮された。さらに、テレアポ実施後のレポートを確認し、人材派遣の需要がありそうな顧客にアプローチできるようになった。

まとめ

テレアポ・飛び込み・既存顧客それぞれの営業リストの特徴や作成ポイントについて解説しました。

営業リストは、なかなか丁寧に作成ができない営業担当が多いことも事実です。アナログな方法に固執せず、ITツールの導入により効率化を図り、さらなる業績アップを目指していきましょう。