
マーケティングにおいて重要なプロセスであるリードの獲得。「リードをうまく獲得するにはどうしたら良いのかわからない」「獲得したリードを活用するにはどうすれば良い?」と悩んでいる方は少なくありません。
今回は、そもそもリード獲得を行う目的やリードの種類、獲得したリードを最大限生かす方法などについて解説します。リードへの理解を深め、効果的な営業活動につなげてください。
リード獲得を行う目的とは?
そもそも、どういった目的でリードの獲得をするのでしょうか?ここではリードの種類や行う目的について解説します。
リード獲得とは
リード獲得とは、将来顧客になり得る見込み客を見つけ出すことです。
リードは、英語の「Lead」からきており、きっかけや手がかりを意味します。ビジネスにおけるリードは、自社の製品やサービスに興味があり今後顧客や利用者になる可能性がある企業や個人のことを指します。マーケティング活動や営業活動を行う上では知っておきたいビジネス用語です。
リードの種類
リードといっても、その種類は複数あります。リードを使い分けることで、自社の製品やサービスをアピールする機会損失を減らし、効果的な営業活動ができます。
ここでは、3つのリードの種類を紹介します。
・ホットリード
・コールドリード
・アノニマスリード
ホットリード
ホットリードは、名前のとおり熱いリード、つまり購買や成約する確度の高い見込み客のことを指します。自社の商品やサービスに対してすでに興味や関心があり、将来取引が発生する可能性が高い顧客です。
ホットリードの創出は、新規開拓をするよりも効率良く収益をあげることができるため、最も重要なリードといえます。
コールドリード
コールドリードは、ホットリードの逆で自社の製品やサービスに対してまだまだ興味関心が浅いリードを意味します。成約までまだ時間のかかる見込み客や、初期段階のリード全般を指す場合もあります。
コールドリードは、後述する「リードナーチャリング」という顧客にアプローチするプロセスを実施してホットリードに育てることが可能です。
すぐに実績につながらないからとアプローチが疎かになってしまうと、自社の製品やサービスについて認知をしている状態であるのにも関わらず離れていってしまうので適度な距離感を保つことが重要です。
ホットリードに比べて数が多いため、顧客管理を徹底する必要があります。
アノニマスリード
アノニマスとは、匿名という意味です。アノニマスリードは氏名や会社名、連絡先などの情報が取得できていない、つまり誰かを特定することができない匿名のリードを指します。潜在的な見込み客といえるでしょう。
多くの場合、閲覧された自社サイトページや、アクセスした日時、IPアドレスなどの情報は入手できている状態です。このアノニマスリードを見込み顧客に変化させることでマーケティングの拡大が期待できます。
リードを獲得する目的は見込み顧客を獲得するため
リードを獲得する目的は、案件を獲得し顧客を増やすためです。オフラインとオンラインの施策を効果的に使い分け、自社の製品やサービスへの興味付けを行って成約や購買につなげていきます。
リード獲得の成功は企業や業績の安定、拡大に直結します。うまくリードを獲得できれば効率的な営業ができるため、生産性の向上も見込めます。
リードを獲得するための方法:オフライン編
リアルで行われるオフライン施策は、既に自社の製品やサービスに対して購買意欲が高まっているリードに対しての囲い込みに向いています。まずは、オフラインでリードを獲得するための方法について解説します。
・展示会出展
・セミナー開催
・ダイレクトメール
・テレマーケティング
展示会出展
大きな会場で複数社がブースを設け、製品やサービスを対面でアピールする展示会。数万規模の来場者がある会場もあるため、大量にリードを獲得できる貴重な機会です。
セミナーでは、次のような内容を講演し、参加企業の興味関心を喚起します。
その場で名刺交換したり、アンケートを行ったりしてリードを獲得します。直接コミュニケーションを取れることがメリットです。実際に商品を見ることができ、質疑応答を通して商品やサービスの魅力を伝えることができるため顧客の満足度が高い傾向にあります。
セミナー開催
- 業界や市場の動向
- 企業が抱える課題の解決策として自社の製品やサービスの紹介
直接リードとコミュニケーションを取れるため、ホットリードを獲得、育成が期待できます。展示会と同様、顧客から生の声を聞けるのでそれを自社の製品やサービスの向上、マーケティングや開発にも生かすことができます。
ダイレクトメール
ダイレクトメールでは、はがきや資料、パンフレットや試供品などを郵送したり、FAXをしたりして自社製品やサービスをアピールします。送付物には自社の担当者電話番号やメールアドレスは忘れずに記載しましょう。電話や返信をもらう形でリードを獲得します。
テレマーケティング
テレマーケティングには2種類あり、インバウンド方式とアウトバウンド方式に分けられます。インバウンドコールは顧客からの電話を受けるコール業務で、顧客満足度を高めるために問い合わせ対応や注文対応、クレーム対応などを担当します。
アウトバウンドコールはコールセンター(企業)から顧客に電話をかける業務で、アポイントやリードの獲得を目的にしています。
リードを獲得するために有効なのはアウトバウンドコールで、潜在的顧客に対してのアプローチや新規開拓を行う場合に実施します。営業リストを作成し、電話をかけてリードを獲得します。
リードを獲得するための方法:オンライン編
昨今、新型コロナウイルスの影響で展示会や商談など、対面での営業活動が困難になりました。また、商品やサービスを購入する前には、ネット上で口コミを調べたり商品情報を事前にリサーチしたりすることが一般的になっています。
そのため、インターネットを経由したオンラインでのリード獲得が以前より重要性を増しています。次にオンラインでリードを獲得するための方法を紹介します。
・Web上の資料請求
・Web広告
・オウンドメディア/コンテンツマーケティング/SEO
・ホワイトペーパーの配布
・メルマガ運営
・SNS
Web上の資料請求
オンライン上でのリード獲得の最もスタンダードな手法が資料請求です。自社サイト上に商品やサービスに関する資料請求や問い合わせフォームを設置し、そこからリードの情報を集めます。
そこまで数は多く獲得できませんが、自社に興味のあるホットリードを獲得できる可能性があるため、設置することをおすすめします。
Web広告
Web広告とは、サイトやアプリを利用した際に決められた枠に表示される広告のことです。バナー広告などを耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
Web広告は費用がかかるものの、うまく活用することができれば短期間でリードの獲得をしやすいことが特徴です。
検索エンジンでキーワードを検索した際に検索結果の上位に表示される「検索連動型広告」もWeb広告の一つです。リスティング広告とも呼ばれています。
また、最近だと「動画広告」といった音声と主に配信される広告も登場しています。YouTubeなどの動画サイトで動画を視聴する際に、動画の合間や検索画面に表示される仕組みとなっています。動画広告は静止画に比べて情報を多く伝えやすく、音声とテキストの両方でアプローチできるため、自社のことをより知ってもらうためには有効なツールとなっています。
このように、Web広告はテキスト形式や動画形式など、ターゲット層や伝えたい内容に合わせてさまざまな発信方法を選択できます。見込み客に対してより精度の高い広告を掲載できることがポイントです。
オウンドメディア/コンテンツマーケティング/SEO
オウンドメディアとは自社で運営をするサービスサイトやブログといったWebサイトのことです。既存の顧客だけではなく新規の顧客にも情報を発信でき、後述するホワイトペーパーと併用することでより効果的なリードの獲得が期待できます。
SEOは「Search Engine Optimization」の略称で、検索エンジン最適化のことを指します。検索エンジンが発達している現代において、非常に重要なマーケティング手法となりつつあります。
具体的には、サイト内の内容を追加してより充実したコンテンツにします。そして、見込み顧客が悩みを検索したときに上位に表示されるよう、ユーザーだけではなく検索エンジンに対してもサイトを最適化していきます。
コンテンツマーケティングは、SEOと密接に関わり合っています。SEOを活用したコンテンツマーケティングは自ら検索をした「情報を集めている・求めている」ユーザーが集まります。そのため、自社の商品やサービスについてまだ知らない潜在顧客を、確度の高い見込み顧客へと育成するのに有効な方法です。
ホワイトペーパーの配布
ホワイトペーパーとは、企業や業界の課題と要因を分析し、解決の糸口となるようなソリューションをまとめたコンテンツのことを指します。氏名やメールアドレスといった個人情報の入力と引き換えに、有益な情報のまとまったコンテンツをダウンロードしてもらいます。
ホワイトペーパーは自社の製品やサービスに興味を持つ確度の高いリードを獲得できます。また、質の高いホワイトペーパーは見込み顧客の満足度が向上するだけではなく、ホットリードの育成効果も期待できます。
メルマガ運営
メルマガ運営は、従来からリード獲得の手段として長年使われてきた方法です。コンテンツ配信と同様に、顧客ニーズに合わせた配信を定期的にメールで行います。
具体的には、次のステップで商品やサービスに対する認知や魅力を伝えていき、段階的に購買意欲を上げホットリードにしていきます。
- 購読のお礼メール
- 課題に合わせた情報提供
- 自社の商品やサービスを利用している利用者の事例
- 製品紹介、料金案内
最近では、メールの開封状況やサイトへのクリックなどをデータで集計し、顧客の興味関心に応じて異なる内容のメールを送付するマーケティングオートメーション(MA)のツールが普及しています。これにより、より効果的で効率的なメルマガ配信が可能となっています。
SNS
TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSで情報発信をしてリードを獲得する方法です。リアルタイム性と、情報発信のスピード感が他の施策にはない大きな特徴です。
「バズり」ということばがあるように、成功すると大きな拡散力があるため自社製品やサービスを知ってもらえるきっかけとなるでしょう。
SNSでの配信は、自社製品やサービスをまだ認知していないコールドリードからホットリードに至るまで幅広くアプローチできます。求められているニーズを把握して、その購入意欲に合わせたコンテンツ配信を行うことが大切です。
また、どのSNSを活用するかの選択は非常に重要です。なぜならSNSによって利用者する年代や目的が異なるからです。自社のターゲットとしている層に合ったSNSを活用するようにしましょう。
リードの獲得を最大化させる3つのポイント
獲得したリードを最大活用するために、今すぐ実施すべきポイントを3つ解説します。
・ターゲットに合わせたKPIを設定する
・獲得したリードのフォローを設計する
・費用対効果の高い施策を検討する
ターゲットに合わせたKPIを設定する
最大化させるポイントの一つ目は、ターゲットに合わせた数値目標を設定して施策を実施することです。最終目標であるKGIからKPIとなるプロセスの数値を逆算し、施策ごとにどのような成果が得られたかを効果検証しましょう。
獲得したリードのフォローを設計する
最大化させるポイントの二つ目は、獲得したリードの育成やフォローするフローを設計することです。実施することでより効果的かつ効率的な営業活動を行えます。育成、フォロー方法を紹介します。
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、獲得した見込み顧客(リード)を育成することです。購買意欲を高めてもらうために段階的に働きかけをしていきます。
具体的には、定期的な電話連絡やメルマガ配信、ホワイトペーパーの配布、イベント開催などで接点を持ち、自社製品やサービスの概要や良さを知ってもらいます。見込み顧客が必要としている有益な情報を適切なタイミングで提供し、将来的な受注につなげます。
定期的に接点を持つことは、競合他社への流出を防ぐのにも有用です。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、購買や成約に至る可能性が高い顧客を選別することです。メールの開封率やメルマガ登録率、資料請求の有無など顧客の行動に応じて「優先すべき見込み顧客」を選別していきます。
スコアリングをもとに厳選されたリードには責任者クラスが特別対応したり、個別のセミナーを行ったりとピンポイントに施策を行うとより購買や成約に結びつきやすくなります。
リードクオリフィケーションを実施するうえで重要なことは、主に次の3つです。
- ホットリードの「定義」「基準」を明確化する
- 見込み顧客のデータを収集し、活用する
- スコアリングで顧客の購入意欲を可視化する
スコアリングはシステムやツールで行うのが効率的です。特に、基準や定義を明確化するとマーケティングと営業で共通認識を持つことができ、社内で相違が発生するのを防げます。
費用対効果の高い施策を検討する
最大化させるためのポイント三つ目は、費用対効果の高い施策を導入検討することです。
オフライン施策は、既に購買意欲が高まっているリードに対しての囲い込みに向いている一方で、自動化や効率化を重視した営業活動が難しく、成果が出るまでの時間や労力がかかる傾向にあります。人件費や場所代も発生し、過大なコストがかかります。
対して、オンライン施策はPDCAサイクルを回しやすく、自動化運用が可能です。コストはかかりますが成果やフローが見えやすく、場所代や人件費も削減できるため費用対効果は高いといえるでしょう。
どれくらいのコストをかけてリードを獲得できたかというリードの獲得単価を計算し、費用対効果の高い施策を実施することで効率的なリード獲得が期待できます。
まとめ
リード獲得を行う目的やリードの種類、獲得したリードを最大限生かす方法などを解説しました。リードを使い分け、その確度に応じてメルマガやSNSを活用し定期的なアプローチを行うことが重要です。
リード獲得後はフォローを必ず実施し、ホットリードを増やしていく活動をしていきましょう。
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