【目的別】チャットボットサービス11選!導入費用や選び方とは?

チャットボットサービスは、打ち込んだ文章に対してチャット形式で自動回答してくれるサービスです。これにより、社内外の問い合わせ対応やヘルプデスクといった機能を提供します。しかし、サービスが多岐に渡る中で「どのサービスを選べばよいのかわからない」「自社に必要な機能がわからない」といった問題を抱える人もいることでしょう。
本記事では、目的別におすすめのチャットボットサービスを11種類紹介します。無料ツールから業務効率化を図るもの、多言語対応など、自社の課題に合わせて選択することを検討ください。

チャットボットサービスとは

チャットボットは、「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、チャット形式で打ち込んだ文章に自動で回答するプログラムを指します。これらは、Webサイト上やLINEなどのトーク画面、TwitterのDM、メッセンジャーのチャットツール上に設置されています。
チャットボットサービスには、サーバー設備が必要な「クラウド型」と、サーバー設置が必要な「オンプレミス型」が存在し、それぞれの費用は異なります。チャットボットサービスの主流は「クラウド型」ですが、「オンプレミス型」もセキュリティ面の安心感から存在します。

チャットボットサービスのタイプ

チャットボットサービスには、「ルールベース(シナリオ)型」と「機械学習(AI)型」の2つのタイプがあります。自社環境に最適なチャットボットサービスを選ぶには、各タイプの仕組みとその違いを理解しておくことが必要です。それぞれのタイプの仕組みについて説明します。

手軽に導入できる「ルールベース(シナリオ)型」

「ルールベース(シナリオ)型」の仕組みでは、会話のフローを事前に設定し、シナリオに沿って会話を進めるプログラムが設定されています。「Aの単語が含まれる質問にはBと回答する」と設定すると、Aの単語が含まれた質問に対しては正確な回答Bが表示されます。ただし、設定されていない質問に対する回答は提供できません。そのため、ユーザーに対応するためには、「A」の単語が含まれる様々な質問を設定するか、内容を修正する必要があります。
この方法は手間がかかる一方で、設定ミスが見つけやすく、プログラミングの知識がない担当者もチャットボットサービスの構築・変更を行うことが可能です。

ユーザーの意図に沿って回答できる「機械学習型(AI)型」

「機械学習(AI)型」の仕組みでは、初期設定時に膨大な量のデータを学習したり、運用中に蓄積されたデータを学習したりして、最も質問に適した回答を提供します。データが多ければ多いほど、よりユーザーに合わせた自然な会話が可能となり、これがメリットです。
ただし、導入前に大量のデータを学習させなければならないため、実際に使用可能になるまでには時間がかかります。しかし、専門用語や特殊な質問に対して柔軟に対応できるチャットボットを構築でき、これによりお客様の満足度が向上することが期待できます。
類似表現や同義語を学習済みのチャットボットは、短期間で導入可能です。ただし、これらは主に汎用的な回答に対応しており、特殊な質問に対する対応は限られています。

チャットボットサービスの選び方

ここでは、チャットボットサービスを選ぶ際の重要なポイントをいくつか挙げています。それぞれのポイントについて具体的に考慮するべき事項を詳しく解説します。

自社に必要な機能が備わっているか

チャットボットサービスを選ぶとき、まず重要なことは自社に必要な機能が備わっているかどうかをチェックすることです。各チャットボットサービスはさまざまな特性を持ち、それぞれが大きく機能が異なります。主な機能としては以下のようなものがあります。

  • 自動応答
  • 有人対応
  • FAQ連携
  • AIによる回答精度の向上
  • ログ分析・レポート機能
  • 聞き返し機能
  • Excel対応

まずは、気になるチャットボットサービスの機能を洗い出して、各機能を比較してみてください。

データ収集や分析が可能か

次に、チャットボットがユーザーからの質問を収集でき、それを基にデータ分析を行うことができるかどうかも重要なポイントです。このような機能があれば、ユーザーからのフィードバックや要望を直接把握し、それを元にサービス改善を進めることができます。また、分析結果をレポートとしてまとめることで、改善策の検討や施策の進捗を確認することも可能になります。したがって、リアルタイムモニタリング機能や自動分析レポートなど、データ収集や分析の機能が備わっているかどうかをチェックしてください。

セキュリティ対策が備わっているか

チャットボットサービスで収集したデータは、有人対応と同じように企業でも適切に管理しなければなりません。
セキュリティ対策済みのサービスは、通信内容が暗号化されているため、情報漏えいのリスクを抑えることが可能です。
金融サービスや医療関係、カスタマー対応が必要な業務では、ユーザーの個人情報を取得することがあります。
個人情報は適切な管理をする必要があるため、企業がチャットボットサービスを選ぶうえでセキュリティ対策の有無は重要なポイントです。
サービスごとに対策が異なるため、必ず確認してください。

サポートやアドバイスの体制が整っているか

チャットボットサービスを選ぶ際、もう一つ大切なポイントは、サポート体制が整っているかどうかです。チャットボットはさまざまなデータを収集でき、マーケティング活動に活用することが可能です。しかし、初めて導入する場合、自社だけで運用するのは困難かもしれません。そのため、運用サポートが提供されているサービスを選ぶことがおすすめです。
運用サポートでは、導入したチャットボットサービスをどのように活用すればいいのか、課題解決に向けたアドバイスを受けることができます。これにより、チャットボットの効果的な運用と、その結果としてのビジネス成果の向上を期待することができます。

チャットボットサービスの導入にかかる費用の内訳

チャットボットサービスの利用には、初期費用と月額費用がかかります。サービスによっては機能追加により別途費用がかかるケースもあるため、自社で導入した場合の費用の確認は必須です。ここではチャットボットサービスの導入にかかる費用について紹介します。

初期費用

チャットボットサービスの初期費用は、おもに利用環境の構築費用として設定されています。数万円のものもあれば、導入サポートが手厚いものだと50~100万円程度かかるものも。初期費用が無料のサービスは月額費用に上乗せされているケースもあるため、予算やリソースにあわせて選ぶことが大切です。

初期設定費用

初期設定費用は、チャットボットの設定に必要な費用です。初期費用とは別に必要となるケースがあります。
費用に含まれる作業はFAQの作成です。ルールベース型の場合、想定される質問と回答のデータを設定しなければなりません。機械学習型は、AI学習のためのプログラミングの入力も必要です。
初期設定費用は基本的に無料ですが、有償で代行するサービスもあります。問い合わせ対応の効率化を図るために必要なサポート費用として覚えておいてください。

月額費用

月額費用はチャットボットサービスの利用にあたって毎月支払う利用料です。タイプによって以下のように費用相場が異なります。

タイプカスタマイズ月額費用相場
ルールベース(シナリオ)型5万円以下
機械学習(AI)型10~30万円
30~100万円

月額費用は使いたいアドオンなど機能の追加により料金が発生します。基本的にユーザーからの質問数や回答数による課金はありませんが、固定料金にくわえてPV数やIDの数、連携サービスに応じて月額費用は変動します。
自社に合わせた環境を作るといくらくらいになるのか気になるときは、見積もりを依頼してください。

運用コンサルティングサポート費用

運用コンサルティングサポートとは、ユーザーが入力した質問など利用履歴にもとづいて、適切なFAQを追加・編集してくれるサービスです。チャットボットの回答の精度を高めることで、ユーザーは課題を自己解決しやすくなり、顧客満足度の向上につながります。
自社のみで運用がむずかしい場合、費用をかけてでも利用するのがおすすめです。サポートの利用でリソースにゆとりがうまれ、コア業務に専念できます。

カスタマーサポートの効率化におすすめのチャットボットサービス3選

カスタマーサポートの効率化におすすめのチャットボットサービスを3社ご紹介します。ここまでご紹介したチャットボットサービスの選び方や導入費用をふまえて、自社にあったものを探してみてください。

Chat Plus(チャットプラス)

『ChatPlus(チャットプラス)』は、少ない人数で多くのユーザーに対応できるため、サポートコストを削減できるのが特徴です。WebサイトにJavaScriptタグを配置すれば初期設定は完了。1分でIDを発行して、3分でチャットを始められます。

ユーザーの行動履歴をチャットボットに反映することも可能です。各データは暗号化されたうえでデータベースに格納されます。ほかにもチャットボットが起動する条件やWeb広告との連動などで役立つスクリプトの作成も可能です。サポートではスクリプトの制作も依頼できます。約5,000個の機能を備えたカスタマイズ性の高いチャットボットです。

初期費用無料
月額費用1,500円~
AI搭載
無料トライアル10日間

公式サイト:ChatPlus

Zendesk(ゼンデスク)

『Zendesk(ゼンデスク)』は海外の大手レビューサイトでも高い評価を受けているチャットボットサービスです。
なかでも『Zendesk for service』は、ユーザーにパーソナライズされた顧客体験を重視した機能を備えています。

問い合わせ内容はすべて一か所で管理されており、分析・レポート化が可能です。レポートを営業部署と共有することで、マーケティング活動の活性化につなげることが可能です。

また、電話カスタマーサポートに特化したCTI(コンピューターテレフォニーインテグレーション)機能も利用できます。幅広いニーズに対応した機能を備えたチャットボットサービスです。

初期費用
月額費用2,800円~
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:Zendesk

sAI Chat(サイチャット)

『sAI Chat(サイチャット)』は、ユーザーの使いやすさを追求した機械学習型チャットボットサービスです。
システム導入前にFAQの類似表現を学習しており、導入時には95%以上の高精度なAIチャットボットを導入できます。多種多様な質問に回答できるため、ユーザーの満足度向上にもつなげることができるでしょう。
また、入力途中でも質問文のサジェストが表示される機能を備えており、ユーザーの課題に対して迅速に対応できます。
アイコンなど見た目のカスタマイズにも対応しているため、企業独自のデザインを作ることも可能です。企業に対する運用コンサルティングサポートもあり、導入から運用までていねいなサポート体制が整っています。

初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:sAI Chat

社内・ヘルプデスクの効率化におすすめのチャットボットサービス3選

ここでは、社内・ヘルプデスクの効率化におすすめのチャットボットサービスを3社ご紹介します。既存ツールと連携が可能なものやAI機能の優れたものなど自社に合わせたサービスを選んでみてください。

OfficeBot(オフィスボット)

『Officebot(オフィスボット)』は、ChatGPTのアルゴリズムを利用した機械学習型のチャットボットサービスです。
独自の機能「FAQ学習AI」は、多様な表現をAIが学習して適した回答を提示してくれます。事前に学習データを用意したり、作業をおこなう必要はありません。言い回しのゆらぎを学習し、精度の高い回答を出してくれます。
Microsoft TeamsやSlackなど、社内で使用するコミュニケーションツールともワンクリックで連携が可能です。出張規定や各ガイドラインなど業務に必要な書類をアップロードしておくだけで、テキストマイニング機能により的確な回答を出してくれます。従業員の自己解決力向上を考えている企業におすすめです。

初期費用35万円
月額費用15万円
AI搭載
無料トライアル1カ月

公式サイト:OfficeBot

PEP(ペップ)

『PEP(ペップ)』は、業務自動化AIチャットボットサービスです。業務上、必要な書類や申請方法など問い合わせ応対を自動化してくれます。
初期設定はドラッグ&ドロップの直感的な操作で設定できるため、高度なプログラミングの知識がなくても構築できるのが特徴です。
目的にあったチャットボットをかんたんに作成できるため、効率化したい業務にあわせて導入できます。
API連携機能も充実しており、SlackやLINE Worksなどへも設置が可能です。社内イントラ内に設置すれば、複雑な問い合わせも代替対応してくれるため、応対コストの削減も見込めます。

初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:PEP

HiTTO(ヒット)

『HiTTO(ヒット)』は100万社以上の分析データをもとに作られたAIチャットボットです。AI「IBM Watson」を活用したハイブリッド型で回答精度が高いのが特徴です。
「有給休暇の申請方法」や「退職手続き」など一般的な質問内容はすでに学習済みでカテゴリ分けされています。そのため、初期設定は必要な回答を入力するだけです。管理画面も使いやすく、メンテナンス性にも優れています。
導入時は専任担当者による導入支援サポートをはじめ、収集データの効果測定についてもアドバイスをもらえます。

初期費用
月額費用要問い合わせ
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:HiTTO

多言語対応におすすめのチャットボットサービス3選

多言語対応におすすめのチャットボットサービスを紹介します。国内インバウンドに対応するために導入を検討されている担当者はぜひ参考になさってください。

Bebot(ビーボット)

『Bebot(ビーボット)』は、行政機関向けのAIチャットボットサービスです。
サービスを利用した3,000万人の会話履歴をもとに開発されました。高性能なAIエンジンを搭載しており、英語と中国語に対応しています。長文でも意味を理解したうえで適切に回答できるのが特徴です。
導入時に作成が負担となるFAQ作成を依頼できます。外国語のFAQ作成はネイティブライターが担当するため、導入から初期設定まで任せられるのが魅力です。ブラウザベースで稼働するため、幅広い端末で利用できます。
省庁や地方自治体をはじめ、国内外の企業でも導入されているチャットボットサービスです。

初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:Bebot

ObotAI(オーボットエーアイ)

『ObotAI(オーボットエーアイ)』は、24時間365日8言語で対応するAIチャットボットサービスです。
日本語をはじめ、英語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語に対応(2023年6月)しており、今後は16カ国語まで対応を予定しています。
公共施設や商業施設などの無人インフォメーションセンターや、越境ECサイトなど幅広い用途で利用されています。
サポートにはネイティブスタッフがスタンバイしており、多言語データのセットアップをサポート。タッチパネル入力や音声入力などにも対応しています。通信の暗号化や運用保守体制などセキュリティ対策も万全です。

初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:ObotAI

COTOHA(コトハ)Chat & FAQ

『COTOHA(コトハ)Chat&FAQ』は、13言語(2023年6月時点)対応のAIチャットボットサービスです。
リアルタイムで翻訳するマルチリンガル機能※が搭載されています。独自のAI翻訳「COTOHA Translator」に日本語のFAQを読み込ませると、リアルタイムで13言語に翻訳。言語の壁を超えたオペレーションが実現します。
問い合わせ内容の自動集計や分析、グラフ化などが可能なため、継続的なFAQの改善が可能です。
無料トライアルはありませんが、月額55,000円(税込)で最長3カ月間のお試しプランを公式サイトより申し込めます。

初期費用
月額費用・トライアル:55,000円(税込)
・本格サービス:104,000円(税込)~
※月間セッション数で異なる
AI搭載
無料トライアル×

公式サイト:COTOHA(コトハ)Chat & FAQ

無料で利用できるおすすめのチャットボットツール2選

無料トライアル期間のあるチャットボットサービスもありますが、利用期間や機能制限があるため機能など使い勝手を判断できないケースもあります。
ここでは「お試し期間だけで使い勝手がわからない」という方におすすめの無料で利用できるチャットボットツールを2社ご紹介します。

HubSpot(ハブスポット)

『HubSpot(ハブスポット)』は、世界120カ国以上で16万7,000社以上導入されている米国製のCRM(営業支援)プラットフォームです。マーケティングや営業、コンテンツ管理などカスタマーサポート業務に必要な機能をすべてそろえています。
チャットボットは『HubSpot』の無料の「Marketing Hub」に含まれている機能です。
チャットボットは機能のひとつとして備わっており、『HubSpot CRM』を利用中なら無料です。テンプレートが用意されているため、コーディング無しでかんたんに作成できます。

初期費用
月額費用Marketing Hub
・無料ツール:0円
・Staeter:2,160円
・Professional:96,000円
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:HubSpot

anybot(エニーボット)

『anybot(エニーボット)』は、LINE公式の「LINE Biz Partner Program」として、LINEやMessenger上のビジネス活動に役立つ機能を備えています。チャットボットは機能のひとつとして無料で作成が可能です。
AIによる自動接客機能を搭載しており、営業時間内は個別接客に対応し、営業時間外は自動接客へ切り替えるといった設定もできます。
ほかにもLINEミニアプリの固定メニューの色やボタンなど、高度なカスタマイズ性で希望に沿ったチャットウィンドウの設定が可能です。

初期費用要お問い合わせ
月額費用要お問い合わせ
AI搭載
無料トライアル

公式サイト:anybot

まとめ:チャットボットサービスを導入して業務効率化を目指そう!

チャットボットサービスは、カスタマーサポート業務や社内ヘルプデスク業務などの効率化を図るうえで便利な機能を備えています。多言語対応なら海外の顧客にもスムーズな対応が可能です。無料トライアルも活用して自社にあったチャットボットサービスを選ぶのがおすすめです。

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