シフト管理

「シフト管理ソフト」の導入を検討しているものの、製品が多くて迷っている方も多いでしょう。

自社に合ったシフト管理ソフトを選ぶには、種類ごとの特徴や、利用できるおもな機能を理解しておくことが大切です。

本記事では、シフト管理ソフトの種類やおもな機能、導入するメリット・デメリットを解説します。比較する際のポイントも紹介しますので、選定の参考にしてください。

シフト管理ソフトの種類は?

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シフト管理ソフトは、大きく以下3つのタイプに分類できます。

  • シフト作成特化型
  • 業種特化型
  • 勤怠管理システム一体型

ここからは、それぞれの特徴や強みを解説します。

シフト作成特化型

シフトの作成と管理に特化したシンプルなタイプのソフトです。固定シフト制や3交代制などの一般的なシフトパターンに加えて、変形労働時間制や自社独自の勤務ルールに基づいた特殊なシフト作成に対応している製品もあります。

ただし、スタッフの勤怠管理を行なう場合は、別のソフトやシステムを併用する必要があります。

このような特徴を踏まえると、以下のような方におすすめです。

  • シフトを自動作成したい
  • シフト管理の効率化を図りたい
  • シンプルなソフトを導入したい

業種特化型

飲食業・販売業・医療業・工業など、特定の業種に特化したタイプのソフトです。業種ごとの特性を踏まえたシフトパターンを作成できます。

例えば、医療業には「応援勤務」や「1日複数勤務」といった独自のシフトパターンがあります。医療業に特化したシフト管理ソフトを導入すれば、これらの特殊なシフト体制もパターン化して登録できるため、簡単かつスムーズにシフトを作成可能です。

ただし、対象外の業種への汎用性は高くありません。

これらの特徴を考慮すると、以下のような方におすすめです。

  • 複雑なシフト体制に対応したい
  • 現場のニーズに合わせて導入したい
  • 他業種で使う予定はない

勤怠管理システム一体型

シフトの作成・管理と勤怠管理が一括で行なえるタイプのソフトです。シフト作成に加えて、出退勤の打刻や給与計算といった機能も搭載しています。

ただし、汎用性に優れている一方で、複雑なシフトパターンに対応できる製品は多くありません。

このような特徴から、以下のような方におすすめです。

  • シフト関連の機能は最低限でよい
  • シフトと勤怠を一元管理したい
  • 勤怠管理システムの導入も検討している

また、勤怠管理システム一体型は「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。

オンプレミス型は、自社のネットワーク内でシステムを開発・運用するタイプです。あらかじめ自社サーバーを構築する必要がありますが、カスタマイズ性やセキュリティ性に優れています。

クラウド型は、インターネット上で提供されているシステムを利用するタイプです。自社サーバーが不要なため、導入時のコストや工数を抑えることができます。

シフト管理ソフトのおもな機能

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シフト管理ソフトによって、搭載されている機能は異なります。ここでは、多くのシフト管理ソフトに搭載されているおもな機能を紹介します。

  • シフトの自動作成
  • シフト希望の提出
  • シフトの調整
  • シフトの共有・確認
  • 外部システムとの連携
  • 予実・人件費概算の管理

シフトの自動作成

あらかじめ設定した必要人数やシフト希望、スタッフのスキルレベルなどをもとに、自動で勤務シフトを作成する機能です。

ソフトによっては、複数の拠点や店舗ごとにシフトを作成したり、特殊なシフトに対応したりできます。

シフト希望の提出

専用のWebサイトやLINEなどのアプリを使って、スタッフがシフト希望を提出できる機能です。この機能により、店舗に来ることなくシフト希望を回収できるようになります。

また、提出期限のリマインドとして、プッシュ通知を設定することも可能です。

シフトの調整

スタッフのシフト変更希望や、繁忙期・閑散期の体制変動などに応じて、既存のシフトを自動的に調整する機能です。この機能により、人的リソースを最適化できます。

また、ほかの拠点や店舗にヘルプを出せる機能や、スタッフ同士でのシフト調整をうながす機能を活用すれば、個別に連絡する手間を減らすことも可能です。

シフトの共有・確認

専用のWebサイトやアプリを通じて、スタッフにシフトを共有する機能です。紙のシフト表を配布する必要がなくなり、ペーパーレス化できます。

また、スタッフはスマートフォンやタブレットからいつでもシフトを確認できるため、確認漏れやシフト間違いを防ぐのにも役立ちます。

外部システムとの連携

外部の勤怠管理システムや給与計算システムと連携し、データを共有する機能です。この機能により、シフト表から勤怠データを抽出する作業を自動化できます。

ただし、使用するソフトやシステムにより、連携の可否や範囲が異なる点には注意が必要です。

予実・人件費概算の管理

作成したシフトから、勤務時間や人件費概算を見積もり、管理できる機能です。

勤怠管理システムと連携すると、勤務予定時間と実際の勤務時間との差異や、残業・遅刻の有無をリアルタイムでチェックできます。このような勤務実態の把握は、シフトの最適化や人件費のバランス調整にも役立ちます。

シフト管理ソフトを導入するメリット

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シフト管理ソフトを導入すると、以下のようなメリットがあります。

  • 業務効率化を実現できる
  • 適切な人材配置が可能になる
  • コストを削減できる
  • ヒューマンエラーを防げる
  • 労働時間を管理しやすい
  • 属人化を防止できる

業務効率化を実現できる

シフトを自動で作成できれば、複雑なシフト組みを考える必要がなくなり、一から作成する手間も省けます。

シフトを手入力で作成すると、シフト希望の回収から調整までに時間がかかりがちです。その結果、シフト作成に時間を取られてほかの業務が滞り、時間外労働やスケジュールの遅延を引き起こす可能性があります。

シフト作成の自動化により負担が軽減されれば、担当者はより重要な業務に注力しやすくなるでしょう。

適切な人材配置が可能になる

シフト管理ソフトを導入すれば、設定した条件やスタッフのシフト希望を反映させ、バランスの取れた人材配置を実現できます。

人員の過不足が生じた場合でも、シフトの自動調整や他店舗へのヘルプ機能を活用して、人的リソースの無駄や偏りを防ぐことが可能です。

コストを削減できる

上記2つのメリットに関連して、シフト管理ソフトの導入はコスト削減にもつながります。というのも、シフト管理の業務効率化や派遣スタッフの適切な人材配置により、人件費を削減できるためです。

例えば、2人体制で行なっていたシフト管理を1人体制で行なえるようになったり、スタッフを必要以上に配置することがなくなったりと、人件費のコスト削減につながるでしょう。

さらには、シフト希望の回収や公開をすべてオンラインで行なえば、ペーパーレス化によるコスト削減効果も期待できます。

ヒューマンエラーを防止できる

シフト管理ソフトを活用すれば、ヒューマンエラーを未然に防ぐことができます。

手入力でシフトを作成する場合、入力漏れや休みの反映漏れなどが生じるリスクがあります。また、シフト希望に添えなかった場合、スタッフから不満を訴えられることもあるでしょう。

シフト管理ソフトなら、公正かつ正確にシフトを作成できるため、労働基準法の遵守やスタッフのモチベーション向上にもつながります。

さらに、時間外労働・休日出勤申請・休暇申請などを一元化することで、管理者の承認作業もスムーズになります。

労働時間を管理しやすい

勤怠管理システム一体型のシフト管理ソフトには、勤務時間や残業時間を自動で計算する機能が備わっています。

エクセルでシフト管理を行なう場合、勤務状況をリアルタイムで把握するのが難しく、労働時間の管理に手間がかかりがちです。そのため、特定のスタッフに負担がかかっていても、気付くまでに時間を要する場合があります。

シフト管理システムを導入すれば、スタッフごとの勤務状況をリアルタイムで可視化できるため、労働時間の管理がスムーズになります。

さらに、法定労働時間を超過した場合のアラート機能によって、労務リスクを減少できる点もメリットです。

属人化を防止できる

シフト管理ソフトは一度使い方を習得すれば、誰でもシフトの作成や調整が行なえるため、業務の属人化を防止できます。その結果、急な体制変更や離職に対応しやすくなる点がメリットです。

手入力でシフトを管理していると、特定の担当者しか作業できない状況に陥る可能性があります。

このように業務が属人化していると、担当者の不在時にシフトの作成や調整を求められた場合の対応が難しくなるでしょう。担当者が異動・離職する際も、新たな担当者の教育や引き継ぎに時間がかります。

業務の属人化を解消すれば、新旧どちらの担当者にとっても負担が軽減され、ミスやトラブルの予防にもつながります。

シフト管理ソフトを導入するデメリット・注意点

シフト管理ソフトにはメリットだけでなく、以下のようなデメリットや注意点もあります。

  • 完全な自動化は難しい
  • 導入・運用に一定の費用がかかる
  • 使い方を教育する必要がある

完全な自動化は難しい

シフト管理ソフトは、基本的なシフト作成・管理を自動化できますが、すべてを完全に自動化することは難しいとされています。というのも、シフト作成において考慮が必要なスタッフの個別事情や企業特有のルールなどは、言語化してソフトに理解させることが難しいからです。

例えば、シフト管理ソフトでは、スタッフ同士の人間関係や家庭の事情などを考慮して、柔軟にシフトを作成・調整することはできません。そのため、シフト管理ソフトを導入したあとも、基本的には自動作成されたシフトを担当者が確認し、必要であれば適宜修正する必要があります。

ソフトを使ったシフト作成に慣れるまでは、確認や修正にかえって時間がかかってしまうこともあるでしょう。

導入・運用に一定の費用がかかる

シフト管理ソフトを導入するデメリットとして、一定の費用がかかることが挙げられます。具体的な費用はソフトやプランごとに異なりますが、初期費用に加えて月数万円の運用費用がかかることが一般的です。

エクセルを使ったシフト管理よりも費用がかかることは念頭に置いておく必要があります。ただし、シフト管理ソフトは導入に費用がかかりますが、担当者の負担や時間外労働を削減できるので、長い目で見るとコスト削減につながるケースがほとんどです。

使い方を教育する必要がある

シフト管理ソフトを導入した場合、画面の見方や基本の操作方法など、スタッフへ説明する時間を取る必要があります。

また、説明漏れを防ぎつつスタッフの知識レベルを統一するには、マニュアルの整備も必要不可欠です。

シフト管理ソフトを比較する際のポイント

チェック

ここからは、シフト管理ソフトを比較する際に押さえておくべき5つのポイントを紹介します。

  • 料金プラン
  • 対応業種
  • 規模
  • 操作性
  • サポート体制

料金プラン

シフト管理ソフトは、無料で使えるものと有料のものに大別されます。

メリットデメリット
無料・費用を抑えられる
・手軽に試せる
・機能制限がある
・利用人数制限がある
有料・多機能
・大人数でも使える
・一定の費用がかかる

無料のシフト管理ソフトは導入・運用コストを抑えられる点は魅力的ですが、機能制限や利用人数制限がかかることが一般的です。多くの場合、シフト希望の回収と自動反映・作成など、利用できるのは基本的な機能に限られます。

そのため、多くの派遣スタッフを抱える人材派遣会社や、シフト管理を本格的に自動化したい会社には向いていない可能性があります。

一方、有料のシフト管理ソフトは、コストがかかる分、充実した機能で本格的にシフト作成・管理を自動化できます。複雑なシフトを自動作成できたり、人材派遣会社に特化した機能が搭載されていたりと、コスト以上の効果を得られる可能性は高いでしょう。

「費用をかけずにお試し導入したい」という場合は、無料プランや無料お試し期間を設けているソフトを選ぶことをおすすめします。ただし、基本的には費用対効果を確認しながら、有料サービスの利用を検討するとよいでしょう。

対応業種

シフト管理ソフトは、人材派遣会社など特定の業種に特化したソフトと、全業種を対象とした汎用的なソフトの2つに分けられます。

メリットデメリット
業種特化型・自社にマッチしたシフト作成が可能・コストがかかる
汎用型・コストを抑えられる
・業種を問わず導入可
・機能が限られる
・複雑なシフト作成に対応できないことがある

業種特化型のソフトには特定の業種が必要とする機能が備わっているため、自社にマッチしたシフトを作成しやすいメリットがあります。例えば、人材派遣業に特化したソフトなら、派遣スタッフの契約内容や派遣先に応じたシフト管理がしやすいでしょう。

しかし、業界に特化した機能が追加され多機能である分、導入・運用にかかるコストは比較的高くなりやすいです。

一方、汎用型のシフト管理ソフトは、飲食や小売、コールセンターなど幅広い業種に対応しているのが特徴です。業種を問わず比較的低コストで利用できることは大きなメリットでしょう。

ただし、あらゆる業種に対応している分、多くの業種で必要とされる機能に絞られる傾向にあります。業種特有の複雑なシフト作成には対応しきれない可能性もあります。

シフト管理アプリの導入目的や、解決したい課題に合わせて選ぶと失敗は少ないでしょう。

企業規模

シフト管理ソフトは、ソフトによって対象とする企業規模が異なります。

メリットデメリット
大企業向け・大人数のシフト作成に対応
・大量のデータ処理・管理が可能
・コストがかかる
中小企業向け・コストを抑えられる・追加でカスタマイズ費用がかかることがある

大企業向けのシフト管理ソフトは、数万人といった大人数のシフト作成に対応しています。大量のデータを素早く処理したり管理したりすることも可能です。ただし、高精度である分、導入・運用にかかるコストも増加します。

一方、中小企業向けのシフト管理ソフトは、対応人数や機能が大企業向けと比べて少ない分、コストを抑えて導入・運用できます。ただし、自社に特化した機能を追加したい場合は、別途カスタマイズ費用がかかることがあります。

自社の規模に合わせて、ソフトを選定することが大切です。

操作性

シフト管理ソフトは日常的に使用するため、「使いやすさ」が重要です。操作性を確認せずに導入すると、かえって業務効率が低下したり、ヒューマンエラーが発生したりする可能性があります。

そのため、シフト作成の担当者をはじめ、スタッフ全員にとって使いやすいソフトを選ぶことが大切です。無料トライアルなどを活用して、実際の操作性や現場のニーズを確認してから導入しましょう。

サポート体制

シフト管理ソフトを使用していると、予期せぬエラーが発生することがあります。このようなトラブルが発生した場合に備えて、迅速なサポート体制が整っていると安心です。

サポートの内容や対応時間、ユーザーレビューなどを参考に、納得のいくサポート体制が提供されているかを確認しましょう。

シフトの提出や調整ならバイトルトークにおまかせ

バイトルトーク」は、ディップ株式会社が提供するバイトコミュニケーションアプリです。プライベート用のメッセージツールを使用せずに、業務連絡やシフトの提出・調整を行なうことができます。

今後は、シフト追加募集やシフト交代募集、ハラスメント・情報漏えい対策、他店舗のヘルプ調整、スポット募集など、シフト調整に役立つさまざまな機能が追加される予定です。

アルバイトの業務連絡に役立つ手軽なアプリを探している方は、ぜひ導入を検討してみてください。

まとめ

シフト管理ソフトには、大きく分けて「シフト作成特化型」「業種特化型」「勤怠管理システム一体型」の3種類があります。自社の性質や課題、ニーズに応じて、最も使いやすいソフトを選びましょう。
また、アルバイトのシフト管理を効率化したい場合は、コミュニケーション機能やシフト提出・調整機能を搭載した「バイトルトーク」がおすすめです。興味がある方は、ぜひ一度お問い合わせください。