人材派遣会社など、取引先の数が膨大なほど見積書の作成業務に手間がかかります。見積書などの帳票類については、できれば帳票作成ソフトにて一括管理したいところです。そのため、見積書作成の効率化を目的に、見積書作成ソフトの導入を検討している方も多いでしょう。
ただし、見積書作成ソフトの選び方にはいくつかのポイントがあり、ポイントを知らないままソフトを導入すると、導入後にミスマッチが生じる可能性があります。
今回は、見積書作成ソフト(帳票作成ソフト)を導入するメリットとデメリット、失敗しない選び方、おすすめの見積書作成ソフトなどについて解説します。見積書作成ソフトの導入で失敗したくない方は、最後までご覧ください。
見積書作成ソフトとは
見積書作成ソフト(帳票管理ソフト)とは、見積書や請求書といった帳票類の作成や出力、管理や配信などができるソフトのことです。見積書のみを単体で作成するソフトではなく、帳票作成機能の一部として、見積書の作成機能が搭載されているケースがほとんどです。
見積書の作成は、非常に手間のかかる業務の1つです。さまざまなコストを考慮した上で見積額を算出し、そこからさらに利益が出るように金額を調整する必要があります。また、苦労の末に作成した見積書であっても、契約が成立するとは限りません。場合によっては価格交渉となり、再度料金の修正が必要になるケースもあるでしょう。
見積書作成ソフトを導入することで、見積書の作成作業の効率化につながる上に、見積書以外の帳票類を一括で管理できるようになります。
見積書作成ソフトのメリット
では、実際に見積書作成ソフトを導入するとどのようなメリットを得られるのでしょうか?見積書作成ソフトのメリットは、主に次の3つです。
・業務の効率化につながる
・ペーパーレス化を促進できる
・見積書を安全に管理できる
業務の効率化につながる
見積書ソフトを導入することで、大幅な業務の効率化につながります。見積書の作成や出力、管理や配布といった一連の作業工程が、見積書作成ソフトを使えば入力フォームに必要事項を記入するだけで、簡単に見積書を作成できます。
また、ソフトによっては見積書から納品書、見積書から請求書といった帳票類の変換も可能です。記載漏れや転記ミスもないため、簡単かつ正確に帳票を作成できます。さらに、帳票類を一元管理できるため、帳票の種類毎にフォルダを分別したり、過去のデータを探し出したりといった手間もありません。
作業効率化により空いた時間を本来集中すべき別の業務に充てることで、業務の効率化、ひいては生産性の向上にもつながるでしょう。
ペーパーレス化を促進できる
見積書作成ソフトを導入することで、社内のペーパーレス化を促進できます。見積書や請求書といった帳票類は、ペーパーレス化することでさまざまなメリットがあります。
・紙代や印刷代の削減
・保管スペースの削減
・文書検索の効率化
・書類の共有や修正の簡易化
・環境保全につながる など
上記のようなさまざまなメリットを得られるため、業務の効率化と生産性の向上を目的に、社内のペーパーレス化を推進している企業は数多くあります。
また、帳票類のペーパーレス化は、セキュリティの向上にも効果的です。セキュリティ面でのメリットについては、次項で詳しく解説します。
見積書を安全に管理できる
見積書作成ソフトの導入は、帳票類を安全に管理できるためセキュリティの向上につながります。
紙で帳票類を管理する場合は、鍵付きのスペースで保管といった物理的な面でしかセキュリティ対策ができません。物理的なセキュリティ対策しかできない場合、万が一盗難や紛失が起きた際に痕跡が見つかりにくいため、追跡ができず情報漏洩につながる恐れがあります。
一方で、見積書作成ソフトのような帳票作成ツールを導入すれば、ログ管理により「いつ・どこで・誰が」帳票を閲覧・編集したかが記録されるため、追跡も容易です。また、アクセス制限や閲覧制限の設定もできるため、帳票の重要度やスタッフの権限をもとに制限付きで管理もできます。
見積書作成ソフトの導入で帳票類の無断持ち出しや帳票の改ざんといった不正が起きにくくなるため、セキュリティ対策の向上につながります。
見積書作成ソフトのデメリット・注意点
見積書作成ソフトのデメリットや注意点は、主に次の2つです。
・運用コストがかかる
・帳票のデータ移動に手間がかかる
運用コストがかかる
見積書や請求書の作成に便利な帳票作成ツールですが、基本的に運用するためには「初期費用」と「維持費用」といったコストがかかります。また、無料プランがあったとしても、機能や使いやすさを考慮すれば、有料ツールを導入した方が効果的な場合もあります。
帳票作成ツールを運用するためには「初期費用」と「維持費用」の2つのコストがかかることを念頭に導入を検討しましょう。
帳票のデータ移動に手間がかかる
見積書作成ソフトの種類によっては、導入後の帳票のデータ移動に手間がかかる場合があります。
社内システムとの連携性がない場合は、見積書や請求書のデータを帳票作成ツールに移し替える作業が発生するため、スムーズに運用を開始できない可能性があります。手動でデータを移動させるのは面倒であるため、帳票作成ツールの導入時は社内システムとの連携性も確認しておきましょう。
見積書作成ソフトの失敗しない選び方
見積書作成ソフトの失敗しないためには、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
・自社で利用したい機能を確認する
・初期費用と維持費用のトータルで検討する
・API連携の有無を確認する
・無料プランや無料トライアルを活用する
これら4つのポイントを意識して見積書作成ソフトを選ぶと、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
自社で利用したい機能を確認する
帳票作成ソフトの機能を確認し、自社で利用したい機能が備わっているか必ず確認しておきましょう。また、必須で使いたい機能については、「どこまでソフトでできるのか」を細かく確認しておくことが重要です。
たとえば、見積書作成の機能があったとした場合、「発行までできるのか」「郵送(郵送代行)までできるのか」など、ツールによりできる範囲が異なります。
取引先にデータではなく紙で見積書や請求書を送付することが多い場合は、郵送代行まで可能なソフトを検討する必要もあるでしょう。自社で利用したい機能を細かく確認し、導入後のミスマッチがないように注意すべきです。
初期費用と維持費用のトータルで検討する
帳票作成ソフトを導入する際は、初期費用と維持費用のトータルで比較して検討することがポイントです。利用台数や人数で料金が変動したり、サポート費用を有料で提供したりしているサービスもあるため、料金体系については細かくチェックしておきましょう。
また、利用期間について縛りがある場合も要注意です。契約期間中に途中解約すると違約金が発生するケースがあります。
初期費用と維持費用のトータルで比較検討し、利用台数や人数での料金変動の有無、契約期間の縛りがないかなど、料金体系についてもよく確認しておきましょう。
API連携の有無を確認する
帳票作成ソフトが自社で使用しているソフトとAPI連携できると、導入後のデータ移動がスムーズになります。APIとは「Application Programming Interface(アプリケーションプログラミングインタフェース)」の略で、ソフトウェアのプログラム共有を助けるものです。
帳票作成ツールと自社で使用中のシステムをAPI連携することで、CSVファイルによるデータ移動が自動化するなど、連携作業により手間がなくなります。API連携が可能だと、互いのシステムを情報共有させるための作業が効率化するため、スムーズに運用を開始できます。
無料プランや無料トライアルを活用する
帳票作成ソフトの中には、無料プランや無料トライアルを用意しているサービスも多くあります。
帳票作成ソフトは毎日使うソフトのため、ソフトの使いやすさが重要です。操作が難しく使いこなせるスタッフが一部に限られると、業務の効率化にはつながりません。
無料プランや無料トライアルで操作感などを確かめてから、導入を検討してみると良いでしょう。
見積書作成ソフトおすすめ:無料プラン(トライアル)あり
ここからは、おすすめの見積書作成ソフトを紹介していきましょう。まずは、トライアルに無料プランがある見積書作成ソフトを紹介します。
- MakeLeaps
- 請求QUICK
- BConnectionデジタルトレード
※紹介するサービスの価格は、すべて税抜価格です。
MakeLeaps
MakeLeaps(メイクリープス)は、見積書や請求書といった帳票データをWeb上で連動させ、各種帳票や数字の一元管理ができるクラウド型のサービスです。見積書からワンクリックで請求書を作成できるほか、帳票類の郵送代行にも対応。見積書の作成から納品書や請求書の送付まで、MakeLeapsで一括管理できます。
また、30日間の無料トライアルもあるため、事前に使用感を確かめてから導入可能です。
費用目安
- 基本ライセンス(法人):月額800円/1ユーザー〜
公式サイト
請求QUICK
請求QUICKは、見積書や請求書の発行から入金の消込や仕訳、さらに請求書の買い取りまでを1つのシステムで利用できるクラウド型の帳票管理システムです。機能に制限はあるものの、基本料金は0円で利用可能。初期費用もかからず、従量課金も最大3ヶ月まで無料になるため、導入しやすいのもポイントです。
また、他の帳票管理システムではあまり見られない請求書の買い取り(オンラインファクタリング)にも対応しています。
費用目安
- 基本料金+従量課金※ユーザー5人まで無料、6人目以降は500円/月/ユーザー
公式サイト
BConnectionデジタルトレード
BConnectionデジタルトレードは、見積書や請求書の作成から受取、社内のワークフローや会計投入に至るまでをデータ化し、一括管理するツールです。直感的でわかりやすいUI(ユーザーインターフェース)を採用しているため、システムに不慣れな初心者でも安心して利用できます。
また、見積書や請求書の作成といった基本機能だけであれば、フリープランにて無料で使えます。初期費用や維持費用を気にすることなく、手軽に導入できることもポイントです。
費用目安
- フリープラン:0円
- その他機能面を強化した有料プラン:2種類
公式サイト
見積書作成ソフトおすすめ:API連携あり
続いて、API連携が可能なおすすめの見積書作成ソフトを紹介します。
- 楽楽明細
- BtoBプラットフォーム 請求書
- TOKIUMインボイス
※紹介するサービスの価格は、すべて税抜価格です。
楽楽明細
楽楽明細は、見積書や請求書、納品書や支払明細といった帳票をWEB上で簡単に発行できる、クラウド型の電子請求書発行システムです。帳票データのCSVやPDFをアップロードするだけで、発行先に応じて「WEB」「メール添付」「郵送」「FAX」の方法に自動で割り振りできる機能を搭載しています。
また、API連携にも対応しており、請求書や納品書などの帳票データをCSV形式もしくはPDF形式で自動データ連携可能。顧客情報のAPI連携にも対応しています。
費用目安
- 初期費用(100,000円~)+月額(25,000円~)
公式サイト
BtoBプラットフォーム 請求書
BtoBプラットフォーム請求書は、各種帳票の発行だけでなく、受け取りや支払金額の通知など、請求業務の全体をデータ化するクラウド型の電子請求書システムです。請求書データは社内システムとスムーズに連携できるため、月次決算の早期化や経営判断の高速化にもつながります。
また、BtoBプラットフォーム 請求書は「デジタルデータ型」の仕組みになっているため、導入企業の社内システムと連携も可能です。
費用目安
- 初期費用100,000円〜
- 月額費用20,000円〜
公式サイト
TOKIUMインボイス(トキウムインボイス)
TOKIUMインボイスは、請求書や見積書といった帳票の受け取りからデータ化までを一括管理し仕訳や振り込みも自動で実行するクラウド型の請求書受領システムです。
TOKIUMインボイスで承認された仕訳データは、既存会計ソフトの取り込み形式に合わせてCSVファイルで出力可能です。そのまま会計ソフトにインポートすることができます。
ダウンロードしたCSVファイルの修正が不要であるため、スムーズにシステムを運用できます。
費用目安
- 月額10,000円〜、オプションでAPI連携可能
公式サイト
見積書作成ソフトおすすめ:中小派遣会社に特化
最後に、中小派遣会社に特化したおすすめの見積書作成ソフトとして、当社ディップ株式会社が提供する中小派遣会社向けの帳票管理ツール「jobs」を紹介します。
jobs
jobsは、派遣に必要な業務を一元管理できる、中小企業のための派遣基幹システムです。見積書や請求書の作成はもちろん、顧客情報の管理や給与計算に至るまで、派遣に必要なあらゆる業務をjobsにて一元管理できます。
また、社外からもアクセスすることが可能です。派遣業務に必要な全機能がワンパッケージで搭載されており、登録スタッフはスマホでいつでも確認できます。
費用に関しては月額利用料35,000円(税抜)のみで、追加費用は一切発生しません。
費用目安
- 月額35,000円(税抜)
公式サイト
まとめ
見積書作成ソフト(帳票作成ソフト)について、メリットやデメリット、おすすめのソフトや失敗しない選び方について解説しました。
見積書作成ソフトとは、見積書や請求書といった帳票類の作成や出力、管理や配信などができるソフトのことです。帳票作成ソフトや帳票管理ツールと呼ばれることもあります。
見積書作成ソフトを導入することで、「業務の効率化」「ペーパーレス化の促進」「セキュリティ面での向上」につながります。見積書作成ソフトを導入する際には、今回お伝えした選定ポイントを参考に、自社の規模や特性にあったソフトを選びましょう。
当社ディップ株式会社では、派遣に必要な業務を一元管理できる、中小企業のための派遣基幹システム「jobs」を提供しています。人材派遣会社の方で、日々の帳票管理に悩んでいる方は、導入を検討してみてください。
少しでもご興味をお持ちの方は、当社ディップ株式会社までお気軽にお問い合わせください。