請求書管理

請求書の管理は、人材派遣会社にとって不可欠な業務の一つです。しかし、派遣スタッフや取引先の数が多いとかなりの手間がかかります。

特に、エクセルや書面での管理は煩雑化しやすく、管理場所や管理方法に困ったり、担当者の負担になったりするケースも少なくありません。今回は、請求書の管理方法と、請求書の管理にはシステム導入がおすすめである理由、主要な管理システムなどを紹介します。

請求書の管理はなぜ必要?

請求書は、取引の証拠となる大切な書類であるため、適切に管理することが必要です。実際に、請求書や領収書、各種伝票などの書類は「信憑(しょうひょう)書類」に分類され、法律によって一定期間保存することが義務づけられています。

第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている内国法人は、財務省令で定めるところにより、帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない。

引用|法人税法第百二六条(青色申告法人の帳簿書類)

なお、保存義務があるのは取引先から受け取った請求書です。法人の場合、7年間保存することが求められています(事業年度の確定申告期限の翌日から換算)。

取引先に提出した請求書については、厳密には保存義務はありません。とはいえ、入金漏れや未払いなどのトラブルを防ぐとともに、税務調査が入った際にスムーズに対応できるようにするため、控えを作成し一定期間保存しておくと安心です。

請求書の管理方法

請求書の管理方法は、大きく分けて3つあります。

請求書の管理方法

・エクセルで管理する
・印刷して紙で管理する
・請求書管理システムで管理する

それぞれの管理方法とメリット・デメリットについて詳しく説明します。

エクセルで管理する

一つ目は、エクセルを使って請求書を管理する方法です。エクセルは、用途に合わせて活用できる自由度が高いツールであることから、請求書管理にも向いています。

下記はエクセルを使った請求書管理方法の一例です。

  1. 取引先を一覧表にまとめる
  2. 取引先ごとに請求書作成用のテンプレートを作成する
  3. 請求書管理フォルダを作成し、取引先ごとに管理する

加えて、請求書のステータス(提出済、未払い、支払済みなど)を一覧で確認できるような一覧表もエクセルで作成しておくと管理を簡素化することができるでしょう。

ただし、エクセルを使った請求書管理は、取引先が増えるとデータ量が増えて重くなったり、作業量や人為的ミスが増えたりするといった課題もあります。取引先や請求書の発行件数が多い場合は、システムを活用した管理がおすすめです。

印刷して紙で管理する

二つ目は、PDF化した請求書を印刷して紙で管理する方法です。紙の請求書を希望する取引先が多いといった理由から、請求書を紙面で管理することもあるでしょう。

ただし、2022年1月の「電子帳簿保存法」改訂により、電子上で取引した請求書に関しては「電子保存」が義務化されました。2022年4月から2年間の猶予が認められていますので、その間に準備を進め、電子保存に対応する必要があります。

近い将来、電子上で取引した請求書を印刷して紙で管理することはできなくなるため、請求書を紙面で管理する方法は現実的ではないでしょう。

請求書管理システムで管理する

三つ目は、請求書管理システムや会計システムなどを導入し、システム上で管理を行う方法です。

請求書管理システムとは、請求書の発行や送付、管理の効率化を目的としたシステムのことです。取引先が増えるにつれて煩雑化しがちな請求書業務を一元管理できる他、クラウド型のシステムなら時間や場所を選ぶことなく作業や閲覧ができるというメリットもあります。

取引先が多く請求書の発行、管理に手間がかかってお困りならシステム導入による効率化がおすすめです。以下では、請求書管理システムについて詳しく紹介しています。

請求書管理にはシステム導入がおすすめである理由

請求書管理

煩雑になりがちな請求書管理は、システム導入で効率化することをおすすめします。ここでは、システム導入をおすすめする理由として、主なメリットを3つ紹介しましょう。

システム導入がおすすめの理由

・請求書業務を効率化できる
・請求書の保管コストや人件費を削減できる
・リアルタイムに情報を把握できる

請求書業務を効率化できる

請求書管理システムを導入することで、煩雑になりがちな請求書業務を大幅に効率化することができます。

これまで手作業で行っていた請求書のフォルダ分けや支払いステータスの確認などを自動で行えるため、請求書管理に必要な工数が減り、業務効率化を実現できます。

また、請求書を取引先ごとに自動で振り分けて管理できるようになるため、必要になったときに素早くデータを入手することが可能です。請求書の作成から送付、管理までワンストップで効率化できることは、システム導入の大きなメリットです。

請求書の保管コストや人件費を削減できる

請求書管理システムを導入すると、保管コストや人件費の削減効果も期待できます。

請求書を電子保存すれば、紙のように物理的な保管スペースが必要ないため保管コストを削減できます。また、請求書の作成や管理にかかる工数削減により、人件費の削減にもつながるでしょう。

システム導入にあたっては、初期費用や月額利用料が発生することが一般的ですが、トータルでみれば経費削減効果が期待できます。特に、人材派遣会社のように取引先や請求書の発行件数が多い企業では、システム導入によって受けられる恩恵も大きくなります。

リアルタイムに情報を把握できる

請求書や取引先の情報をリアルタイムで共有・把握できることも、システム導入のメリットの一つです。たとえば、システムを活用すれば、請求書の発行後に売上レポートや取引先別の請求金額など、経営情報をリアルタイムで確認し、把握するといったことが可能になります。

請求書だけでなく、経営に必要な情報をリアルタイムで管理できることはビジネスにとって大きなメリットでしょう。

請求書管理システムの選び方

では、自社に合った請求書管理システムを導入するには、何を基準にシステムを選ぶべきでしょうか?請求書管理システムを選ぶときのポイントを3つ解説します。

請求書管理システムの選び方

・業務をどこまで自動化したいか
・自社の業務形態に対応しているか
・他ツールと連携できるか

業務をどこまで自動化したいか

同じ請求書管理システムでも、搭載されている機能はシステムごとに異なります。請求書の作成と管理に特化したシンプルなシステムから、多機能なシステムまでさまざまです。

また、中には、当社ディップ株式会社が提供する派遣基幹システム「jobs」のように、請求管理だけでなく、顧客・案件情報管理や給与計算、シフト管理など、派遣に必要なあらゆる業務を一元管理できるシステムもあります。

どんな機能が備わったシステムを選ぶべきかは、システムで業務をどこまでカバーしたいかによって異なります。自社の抱える課題や効率化したい業務内容に合わせて、過不足のないシステムを選ぶと良いでしょう。

自社の業務形態に対応しているか

請求書管理システムを選ぶ際は、自社の業種やサービス形態に対応しているかも確認しておくと安心です。具体的には、同業種・企業規模での導入実績が豊富か、月額・単発などさまざまな請求方式に対応できるかを確認しましょう。

たとえば、人材派遣会社では、取引先ごとにフォーマットの異なる請求書を作成して管理する必要があるため、カスタマイズが柔軟にできるシステムを導入すると便利でしょう。

他ツールと連携できるか

他のシステムやツールと連携できるかも、確認しておきたいポイントです。自社で既に導入している経理システムや会計ソフト、CRMシステムなどと連携できると、請求や取引先に関するデータを自動で取り込んだり、請求後の入金まで一元管理したりできて便利です。

効率化を図りたい業務内容に合わせて、自社の既存システムや他の業務効率化ツールと連携できるシステムを選ぶことで、システム導入による効果を最大化できるでしょう。

請求書管理システム導入時の注意点

システム導入によって多大なメリットが期待できる反面、留意しなければならない注意点も存在します。請求書管理システム導入時は、次の2点に注意しましょう。

請求書管理システム導入時の注意点

・セキュリティを強化する
・取引先にとっても負担が少ないシステムを導入する

セキュリティを強化する

機密性の高い請求書をシステムで管理するにあたっては、情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクへ備え、セキュリティを強化することが欠かせません。暗号化された通信を使用したり、万が一に備えてバックアップを作成したりするなどして、不正アクセスによるデータの盗難や改ざんに対応しておく必要があるでしょう。

また、システムを選定する際、セキュリティが万全であるかどうかも確認しておくと安心です。

取引先にとっても負担が少ないシステムを導入する

新たに請求書管理システムを導入するにあたっては、自社の担当者だけでなく、取引先にとっても負担が少ないシステムを選ぶ必要があります。というのも、取引先が紙の請求書を希望する場合、請求書の送付や管理をすべて電子化してしまうと、取引先に負担がかかることが懸念されるためです。

取引先が対応しやすい形で請求書を発行、および管理できるかを検討し、慎重にシステム導入を進めていきましょう。

主要な請求書管理システム

ここでは、例として主要な請求書管理システムを3つ紹介します。「どんな請求管理システムがあるの?」と気になっている方はぜひ参考にしてください。

  • HRMOS契約・請求(派遣版)
  • 楽楽清算
  • バクラク電子帳簿保存

HRMOS契約・請求(派遣版)

HRMOS契約・請求(派遣版)

HRMOS契約・請求(派遣版)は、IEYASU株式会社が運営するクラウド勤怠・契約・請求管理システムです。派遣先との契約から勤怠、請求で発生する一連の業務を効率化することができます。

請求書自動生成機能では、契約・出退勤データをもとに請求書を自動生成することが可能です。さらに、生成した請求書はPDF出力で自動発行したり、取引先へ即時メール送信したりすることもできます。

なお、取引先ごとに月ごとの売上レポートを確認できるなど、管理業務の効率化も可能です。

料金プラン

  • フリー:無料(月9枚まで)
  • ベーシック:500円/1請求あたり

公式サイト

楽楽精算

楽楽精算

楽楽精算は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の経費精算システムです。幅広い会社規模・業種に対応し、経費精算を効率化することができます。

請求書機能では、請求書の支払い依頼、および受領した請求書の処理をまとめて容易に効率化することが可能です。取引先ごとに細かな仕分けを設定しておけるなど、手入力作業がほとんど発生しないため、時間や場所を問わずスムーズに申請・承認・管理ができるようになります。

また、2023年10月より始まるインボイス制度にもしっかり対応しており、楽楽清算一つで法対応への準備ができることも魅力です。

料金プラン

  • 初期費用:100,000円(税別)
  • 月額費用:30,000円(税別)〜

公式サイト

バクラク電子帳簿保存

バクラク電子帳簿保存

バクラク電子帳簿保存は、株式会社LayerXが提供する文書管理システムです。電子帳簿保存法とインボイス制度に完全対応し、文書管理のペーパーレス化を実現することができます。

経費精算・稟議から支払い、仕訳、請求書の保管まで、支払いに関する業務をワンストップで効率化できます。また、電子取引に加えて、スキャナ保存にも対応しているため、紙の請求書をデータ化して電子保存することが可能です。

バクラク電子帳簿保存は、一部機能を無料で利用することができます。

料金プラン

  • 無料プラン:0円
  • スタータープラン:9,800円(税込)〜

公式サイト

人材派遣会社の請求書業務効率化には「jobs」がおすすめ

jobs

請求書業務の効率化を課題とする人材派遣会社には、当社ディップ株式会社が提供する派遣基幹システム「jobs」がおすすめです。

jobs」は、中小企業のための派遣基幹システムで、派遣に必要な業務を一元管理することが可能です。たとえば、jobsの請求書作成機能を使えば、「数多くの取引先に請求書を出さなければならず、作成・管理に手間がかかってしまう」というお悩みを解消することができます。

さらに「jobs」は、当社ディップ株式会社が提供する、24時間365日応募自動対応の「HRコボットfor応募対応」との連携が可能です。連携してご利用いただくと、応募〜面談対応から新規案件のアサインを素早く行うことができ、稼働率の向上が見込めます。

jobs」は、安心の定額制「月額35,000円(税抜)」で利用が可能です。初期費用や追加費用が発生することや、使える機能に制限がかかることはありません。

請求書業務をはじめとしたマネジメント業務の効率化を課題とする中小の人材派遣会社様は、ぜひお気軽に当社ディップ株式会社までご相談ください。

料金プラン

  • 月額利用料:35,000円(税抜)

公式サイト

まとめ

請求書の管理方法とシステム導入がおすすめである理由、主要な請求書管理システムなどを紹介しました。

請求書の管理は、派遣スタッフの人数や取引先の企業数が増えるほど手間と労力がかかるマネジメント業務です。エクセルや紙面での請求書管理に限界を感じているのであれば、ぜひこれを機にシステム導入による請求書業務の効率化を検討してみてはいかがでしょうか?

請求書の作成・管理の効率化でお悩みの人材派遣会社には、当社ディップ株式会社が提供する、派遣基幹システム「jobs」の利用がおすすめです。

jobs

jobs」は、派遣・請負・紹介の業務で必要な機能を多数搭載しており、請求書管理をはじめとしたさまざまな業務を効率化することが可能です。

派遣に必要な業務の一元管理に少しでも興味がありましたら、ぜひ当社ディップ株式会社までお気軽にお問い合わせください。