シフト管理ソフト

人材派遣会社では、派遣スタッフの契約内容や派遣先に応じたシフト・勤怠管理が必要なため、担当者の負担が大きくなりがちです。そこでおすすめなのが、シフト管理ソフトを導入し、シフト作成や管理を自動化する方法です。

本記事では、シフト管理ソフトの導入メリットや注意点、ソフトの種類、選び方などを解説します。人材派遣会社におすすめのシフト管理ソフトも紹介しているので、ぜひお役立てください。

エクセルを使ったシフト管理における課題

エクセルを使ったシフト管理には、どのような課題があるのでしょうか?ソフトの導入効果を理解すべく、まずはエクセルによるシフト管理の課題を4つ紹介します。

課題

・膨大な時間がかかる
・ミスやトラブルがなくならない
・勤怠状況の把握が難しい
・シフト作成業務が属人化しやすい

膨大な時間がかかる

エクセルを使ったシフト管理の最大の課題は、シフト表の作成に膨大な時間がかかることです。

メールとエクセルを使ってシフトを作成する場合、シフト希望の回収からシフトの共有、再調整まで、かなりの工数がかかります。派遣スタッフの人数によっては、数人体制で100〜200時間という膨大な時間がかかってしまうことも少なくありません。

シフト管理に膨大な時間がかかると、他の業務が手に付かない、担当者の時間外労働につながるなど他の課題も浮上してしまうでしょう。

ミスやトラブルがなくならない

エクセルを使ったシフト管理は、膨大な時間がかかるだけでなく、人為的ミスやトラブルが付きものです。

手作業でのシフト作成・管理では、どんなに気を付けていても、転記ミスや入力ミス、確認漏れなどのミスが発生するリスクがあります。また、作成したシフトが希望に添わなかったり、不公平だったりすると、スタッフの不満を引き起こしてしまうこともあるでしょう。

こういった人為的ミスやトラブルは、調整に膨大な時間を要してしまうため、自動化して減らしていく必要があります。

勤怠状況の把握が難しい

エクセルを使ったシフト管理には、スタッフの勤怠状況の把握が難しいという課題もあります。スタッフの契約内容やシフトパターンがさまざまである人材派遣会社では、勤務の実態をリアルタイムで把握することが難しいのが現状です。

さらに、シフトや勤怠、打刻などの管理をエクセルでそれぞれ管理する場合、データを手入力したりインポートしたりと、かなりの手間がかかります。

このように、包括的にスタッフの勤怠状況を把握することが難しいという点からも、エクセルを使った管理は課題が大きいと言えます。

シフト作成業務が属人化しやすい

シフト作成業務が属人化しやすいことも、エクセルを使ったシフト管理の課題の一つです。

シフト表を手作業で作成するには、スタッフの特性や現場のルールなどを理解している必要があり、つい経験のある担当者に属人化されてしまいがちです。さらには、「エクセルシートの細かな設定やマクロを担当者でしかない」と使いこなせないというケースも少なくありません。

属人化が起こると、担当者の負担が大きくなりやすいだけでなく、担当者がいなくなった時の引き継ぎに苦労することになります。属人化はリスクが大きいため、ソフト導入による業務の簡素化やノウハウの共有が必要です。

シフト管理ソフトを導入するメリット

シフト管理ソフトは、エクセルや紙を使ったシフト管理の課題解決に役立ちます。ここでは、シフト管理ソフトの導入により得られる主なメリットを3つ紹介します。

メリット

・シフト表を自動で作成できる
・適切な人材配置が可能になる
・コストを削減できる

シフト表を自動で作成できる

シフト管理ソフトを導入すると、スタッフから回収したシフト希望をもとに、自動でシフト表を作成できます。スタッフからのメールを確認したり、シフト希望をエクセルに手入力したりする必要なく、シフト表を自動作成できるので、業務効率化につながります。

担当者の負担が軽減されることはもちろん、シフト表公開までの時間が短縮されることで、スタッフの満足度も向上するでしょう。

適切な人材配置が可能になる

シフト管理ソフトでは、あらかじめ設定したルールをもとに自動的にシフト表が作成されるため、適切な人材配置が可能になります。

エクセルを使ったシフト管理では、バランスの良い配置を実現するには、担当者に大きな負担がかかります。しかし、ソフトを導入すれば、担当者の負担を増やすことなく、適切な人材配置を実現できます。

業務に対してスタッフの人数が不足したり、スタッフを必要以上に配置したりすることがなくなるため、スタッフの不満を解消しつつ、人件費の最適化にもつながります

コストを削減できる

上記2つのメリットに関連して、シフト管理ソフトの導入はコスト削減にもつながります。というのも、シフト管理の業務効率化や派遣スタッフの適切な人材配置により、人件費を削減できるためです。

たとえば、2人体制で行っていたシフト管理を1人体制で行えるようになったり、スタッフを必要以上に配置することがなくなったりと、人件費のコスト削減につながるでしょう。

さらには、シフト希望の回収や公開をすべてオンラインで行えば、ペーパーレス化によるコスト削減効果も期待できます。

シフト管理ソフトを導入するデメリット・注意点

シフト管理ソフトを導入する上で、知っておきたいデメリットと注意点を説明します。

デメリット・注意点

・完全な自動化は難しい
・導入・運用に一定の費用がかかる

完全な自動化は難しい

シフト管理ソフトは、基本的なシフト作成・管理を自動化できますが、すべてを完全に自動化することは難しいとされています。というのも、シフト作成において考慮が必要なスタッフの個別事情や企業特有のルールなどは、言語化してソフトに理解させることが難しいからです。

たとえば、シフト管理ソフトでは、スタッフ同士の人間関係や家庭の事情などを考慮して、柔軟にシフトを作成・調整することはできません。そのため、シフト管理ソフトを導入した後も、基本的には自動作成されたシフトを担当者が確認し、必要であれば適宜修正する必要があります。

ソフトを使ったシフト作成に慣れるまでは、確認や修正にかえって時間がかかってしまうこともあるでしょう。

導入・運用に一定の費用がかかる

シフト管理ソフトを導入するデメリットとして、一定の費用がかかることが挙げられます。具体的な費用は、ソフトやプランごとに異なりますが、初期費用に加えて、月数万円の運用費用がかかることが一般的です。

エクセルを使ったシフト管理よりも費用がかかることは念頭に置いておく必要があります。ただし、シフト管理ソフトは導入に費用がかかりますが、担当者の負担や時間外労働を削減できるので、長い目で見るとコスト削減につながるケースがほとんどです。

シフト管理ソフトの種類と選び方

シフト管理ソフトは、無料か有料か、業種特化型か汎用型かなど、さまざまな切り口から分類できます。ここでは、シフト管理ソフトの種類を4つに分類し、選び方とともに紹介します。

選び方

・無料か有料か
・業種特化型か汎用型か
・大企業向けか中小企業向けか
・シフト機能特化か多機能か

無料か有料か

シフト管理ソフトは、無料で使えるものと有料のものに大別されます。

メリットデメリット
無料・費用を抑えられる
・手軽に試せる
・機能制限がある
・利用人数制限がある
有料・多機能
・大人数でも使える
・一定の費用がかかる

無料のシフト管理ソフトは、導入・運用コストを抑えられる点は魅力的ですが、機能制限や利用人数制限がかかることが一般的です。多くの場合、シフト希望の回収と自動反映・作成など、利用できるのは基本的な機能に限られます。

そのため、多くの派遣スタッフを抱える人材派遣会社や、シフト管理を本格的に自動化したい会社の場合、本来の能力を発揮できないリスクがあります。

一方、有料のシフト管理ソフトは、コストがかかる分、充実した機能で本格的にシフト作成・管理を自動化できます。複雑なシフトを自動作成できたり、人材派遣会社に特化した機能が搭載されていたりと、コスト以上の効果を得られる可能性は高いでしょう。

「費用をかけずにお試し導入したい」という場合は、無料プランや無料お試し期間を設けているソフトを選ぶといいでしょう。ただし、基本的には費用対効果を確認しながら、有料サービスの利用を検討するといいでしょう。

業種特化型か汎用型か

シフト管理ソフトは、人材派遣会社など特定の業種に特化したソフトと、全業種を対象とした汎用的なソフトの2つに分けられます。

メリットデメリット
業種特化型・自社にマッチしたシフト作成が可能・コストがかかる
汎用型・コストを抑えられる
・業種を問わず導入可
・機能が限られる
・複雑なシフト作成に対応できないことがある

業種特化型のソフトは、特定の業種が必要とする機能が備わっているため、自社にマッチしたシフトを作成しやすいというメリットがあります。たとえば、人材派遣業に特化したソフトなら、派遣スタッフの契約内容や派遣先に応じたシフト管理がしやすいでしょう。

しかし、業界に特化した機能が追加され多機能である分、導入・運用にかかるコストは比較的高くなりやすいです。

一方、汎用型のシフト管理ソフトは、飲食や小売、コールセンターなど幅広い業種に対応しているのが特徴です。業種を問わず比較的低コストで利用できることは大きなメリットでしょう。

ただし、あらゆる業種に対応している分、多くの業種で必要とされる機能に絞られる傾向にあります。業種特有の複雑なシフト作成には対応しきれない可能性もあります。

シフト管理アプリの導入目的や、解決したい課題に合わせて選ぶと失敗は少ないでしょう。

大企業向けか中小企業向けか

シフト管理ソフトは、ソフトによって対象とする企業規模が異なります。

メリットデメリット
 
大企業向け・大人数のシフト作成に対応
・大量のデータ処理・管理が可能
・コストがかかる
中小企業向け・コストを抑えられる・追加でカスタマイズ費用がかかることがある

大企業向けのシフト管理ソフトは、数万人といった大人数のシフト作成に対応しています。大量のデータを素早く処理したり管理したりすることも可能です。ただし、高精度である分、導入・運用にかかるコストも増加します。

一方、中小企業向けのシフト管理ソフトは、対応人数や機能が大企業向けと比べて少ない分、コストを抑えて導入・運用することができます。ただし、自社に特化した機能を追加したい場合は、別途カスタマイズ費用がかかることがあります。

自社の規模に合わせて、ソフトを選定することが大切です。

シフト機能特化か多機能か

シフト自動作成機能が備わったソフトには、シフト作成・管理を主力としたものと、勤怠管理を一元管理できる多機能なものがあります。

メリットデメリット
シフト機能特化・高精度なシフト作成・管理機能を搭載・勤怠管理ソフトの別途導入が必要
多機能・勤怠もワンストップで管理できる・シフト作成・管理の機能の充実度が劣ることがある

シフト機能に特化したソフトは、シフト作成・管理向けに開発されているため、シフト作成・管理向けの機能が充実しています。シフト作成における細かなニーズに対応しているので、複雑なシフトも作成しやすいでしょう。

一方、勤怠管理ソフトの場合、勤怠管理の一環としてシフトの作成や管理を行うことができます。シフト作成・管理は、勤怠管理ソフトの一機能であるため、シフト機能に特化したソフトと比べると、機能の充実度は劣ることがあります。

ただし、後者の場合、シフト管理だけでなく勤怠管理までワンストップで行えるため、トータルでのコスト面を安く抑えやすいほか、業務を幅広く効率化できるというメリットがあります。

おすすめのシフト管理ソフト

ここでは、おすすめのシフト管理ソフトを4つ紹介します。

料金対象業種規模主力機能
シフオプ有料 (月額300円/1ユーザー)汎用型大〜中シフト管理
oplus無料・有料 (月額100円/1ユーザー)汎用型中〜小シフト管理
らくしふ有料 (要問合せ)汎用型大〜小シフト管理
ジョブカン 勤怠管理無料・有料 (月額200円〜500円/1ユーザー)汎用型大〜小勤怠管理

シフオプ

シフオプ

シフオプは、株式会社リクルートが提供するシフト作成・管理システムです。直感的なシフト管理画面と多彩な便利機能で、シフト管理の工数を72%削減することができます。

また、シフト作成を効率化すると同時に、労務コンプライアンスの強化や人件費の最適化など、エクセルを使ったシフト管理の課題解決にもつながります。シフオプは、初期費用無料で1ユーザーあたり月額300円で利用可能です。

料金プラン

  • 月額費用:300円/1ユーザー

公式サイト

oplus

oplus

oplusは、Oplus株式会社が運営するシフト・勤怠管理ソフトです。シンプルな操作性ながらも、シフト作成・管理に役立つ実用的な機能を豊富に搭載しています。

oplusは、初期費用・月額利用料ともに無料で開始できるスタンダードプランを用意しています。100ユーザーまでなら、シフト提出・管理・確定機能をはじめ、さまざまな機能を無料で利用することが可能です。

料金プラン

  • スタンダードプラン:0円
  • Proプラン:月額100円/ユーザー
  • Pro + 勤怠プラン:月額200円/ユーザー

公式サイト

らくしふ

らくしふ

らくしふは、株式会社クロスビットが提供するシフト管理ソフトです。外食や小売、医療介護施設など、さまざまな業種に対応しており、シフト管理の課題を経営・現場の視点から解決できます。

らくしふの特徴は、シフトの回収・共有を「LINE」で行えるところです。シフトをLINEで一括管理できるため、業務効率を向上できるほか、スタッフの満足度向上にもつながります。

なお、LINEで回収したシフトは、らくしふに自動で転記し、複数の条件を考慮したシフトを自動で作成することが可能です。料金プランは、事業規模や利用者人数に応じて決まります。

料金プラン

  • 有料(要問合せ)

公式サイト

ジョブカン 勤怠管理

ジョブカン勤怠管理

ジョブカン 勤怠管理は、クラウド型の勤怠管理ソフトです。勤怠管理に必要な「出勤管理」「シフト管理」「休暇・申請管理」「工数管理」の4つの機能がワンストップで備わっています。

特徴は、必要に応じて4つの機能を自由に組み合わせて利用できるところです。また、幅広い勤務形態に対応しており、自社にマッチした細かな設定・運用ができることも魅力の一つです。

シフト管理のみを単体で利用する場合は、1ユーザーあたり月額200円で利用できます。

料金プラン

  • 無料プラン:無料
  • 有料プラン:月額200円〜500円/1ユーザー

公式サイト

人材派遣特化型のシフト管理ソフトなら「jobs」がおすすめ

jobs

人材派遣特化型のシフト管理ソフトをお探しなら、当社ディップ株式会社が提供する派遣基幹ソフト「jobs」がおすすめです。

jobsは、派遣に必要な業務を一元管理できる、中小企業のための派遣基幹ソフトです。シフト提出とシフト管理はもちろん、各種帳票作成や顧客情報管理、勤怠報告、給与計算など、あらゆる業務をワンストップで効率化することができます。

なお、jobsは使いやすさを追求したソフトであるため、人材派遣会社社員はもちろん、登録スタッフもマニュアル不要で簡単に操作できます。システム初心者が多い会社や、中小の人材派遣会社でも不安なく導入していただけます。

jobsは、月額35,000円(税抜・サポート費用込)の定額制・低価格なのも魅力です。初期費用や保守費用、追加費用は一切かからず、さらにすべての機能を制限なく利用することが可能です。

「人材派遣に特化したシフト管理ソフトを導入したい」「スタッフの人数が増えてきて、エクセルでのシフト管理に限界を感じている」という人材派遣会社の方は、ぜひ導入を検討してみてください。

 料金対象業種規模主力機能
jobs有料 (月額35,000円)人材派遣特化型中〜小派遣業務管理

公式サイト

まとめ

シフト管理ソフトの導入メリットや注意点、ソフトの種類、選び方などを解説しました。

派遣スタッフのシフト管理を効率化するには、自社の業種や規模、勤怠ルールに合ったソフトを選ぶことが大切です。特に、人材派遣会社の場合、契約内容やシフトパターンが異なるスタッフを数多く管理する必要があるため、自社にマッチしたシフトを作成できるソフトを選ぶといいでしょう。

派遣スタッフの管理業務に特化したソフト導入をお考えなら、当社ディップ株式会社が提供する「jobs」がおすすめです。

jobs

jobs」は、中小企業向けの派遣基幹システムで、派遣に必要な業務をワンストップで管理することができます。

「エクセルを使った管理から脱却したい」「担当者の負担を削減したい」とお考えの人材派遣会社の方は、ぜひお気軽に当社ディップ株式会社までご相談ください。