
近年、オンラインツールの需要が高まっています。しかし、オンラインツールは、多くのサービスがリリースされているため、自社に適したツールがどれかわからないと思う方は少なくありません。
今回は、オンラインツールを導入することによるメリットや、選び方について解説していきます。本記事を参考に、オンラインツールの導入を進めてみてください。
オンラインツールとは
オンラインツールとは、その名のとおり、オンライン上で利用ができるツールや提供されているサービスのことです。オンラインツールを利用することで、生産性向上や業務効率化など、さまざまなメリットを業務に活かすことにつながります。
オンラインツールにはさまざまな種類があります。離れた場所の人とリアルタイムで音声と映像でコミュニケーションが行える「オンラインミーティングツール」や、「グループメンバーのタスクを可視化し管理が行えるツール」、「作成したファイルを共有し、保管および管理を行うツール」などです。
オンラインツールはインターネット環境を活用して利用するものであるため、インターネットが利用できる場所であれば、デバイスや時間を問わず利用が可能です。そのため、社内ではパソコンでオンラインツールを活用し、外出先ではスマートフォンでオンラインツールを活用するなどが可能です。
現在では多くの企業からさまざまなオンラインツールがリリースされており、自社に合った適切なツールを導入することで、業務の効率化などに貢献してくれます。
オンラインツールが広まってきた背景
オンラインツールが広まってきた背景には、働き方改革の影響と新型コロナウイルス感染症拡大があります。
昨今、働き方改革が声高に叫ばれるようになりました。従来までの長時間労働などを基軸とした働き方から、ツールを活用した効率的な働き方が求められるようになっています。
働き方改革が進められている理由として、労働人口の減少やデジタル技術の進化が挙げられます。日本では少子高齢化が加速しており、それに伴い働き手となる労働人口も大きく減少することが予想されています。
総務省が発表している「平成29年版 情報通信白書」によると、2016年に6,440万人いた労働人口は、2030年には5,561万人にまで減少すると予測されています。企業は人手不足に陥りやすくなるため、ツールを活用して効率的な業務が必要になりました。
ツールに関しては、デジタル技術が加速度的に進化しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)が登場したように、デジタルツールやICTなどの技術を活用して従来の業務のあり方を見直し、より革新的な変革がどの業界でも進められています。
政府においても、デジタル技術を用いた新たな社会である「Society 5.0」を提唱しており、新たな社会の構築に向けて動いています。
加えて、オンラインツールの需要がさらに広まったのが「新型コロナウイルス感染症の拡大」です。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、これまで会社に出社して業務を行うという当たり前が行えなくなり、テレワークなどへの対応が求められるようになりました。
テレワークなどを実施するためには、整ったインターネット環境やオンラインツールの活用は欠かせません。また、人の移動も制限される中で、遠隔地にいる人とコミュニケーションを取るためには、ツールを活用して行いたいというニーズも掘り起こされました。
こういった働き方改革の影響と新型コロナウイルス感染症拡大を背景にして、オンランツールは広まってきているのです。
オンラインツールのメリット
業務において、オンラインツールを活用するメリットは、主に次の4点が挙げられます。それぞれのメリットについて解説していきましょう。
- インターネット環境があれば利用可能
- 交通費などのコスト削減
- 低コストでの運用
- 業務のスピードアップが可能
インターネット環境があれば利用可能
オンラインツールは、インターネット環境があれば利用が可能なツールです。そのため、いつでもどこでも環境さえ整っていればオンラインツールの利用ができます。
会社内でツールを使用するのはもちろん、外出先でスマートフォンからの利用や、テレワークを行っている際の会社以外のパソコンからも利用ができます。また、インターネット環境があれば利用ができるため、デバイスを問わず利用ができることも大きなメリットだといえます。
そのため、インターネット環境を整えれば、会社にいなくても、会社にいるのと同じようにツールが扱えるため、どこでも業務が可能になります。
交通費などのコスト削減
オンラインツールを利用することで、交通費などのコスト削減にもつながります。なぜなら、オンラインツールを業務で使用することで、遠隔地にいたとしても問題なく業務の遂行ができるからです。
たとえば、全国に支社を展開している企業であれば、打ち合わせや会議のために移動する必要がなくなります。また、多く出張している営業マンなども、顧客とオンラインツールを通じてコミュニケーションが図れるため、移動費などを抑えられます。
加えて、宿泊が伴う出張などの場合は、宿泊費も削減されるため、さらなる経費削減に貢献ができます。移動するためのコストが削減されることに加え、移動時間も当然削減につながります。
そのため、これまで移動時間だった時間で他の業務を行うことができるため、業務効率化にもつながるのです。
低コストでの運用
オンラインツールは、インターネット環境を活用して利用するツールであるため、導入費用などはかからず、月額の利用費のみで運用できます。中には、最低限の機能だけが搭載された無料版のオンラインツールもあります。そのため、自社の業務に合っているのであれば、無料版を活用するのでも良いでしょう。
また、有料版の場合でもユーザー数によって変わってくるものや、機能数によってプランが異なるものなどがあります。低価格で運用ができるプランも多くあるため、低コストでオンラインツールを運用することも十分可能です。
低コストで運用ができることは、これまで業務にかかっていた経費を削減でき、自社の業務改善に大きく貢献できるため、メリットといえるでしょう。
業務のスピードアップが可能
繰り返しになりますが、オンラインツールを活用することでインターネット環境がある場所であれば、いつでもどこでも同じように業務が行えます。そのため、空いた時間にすぐ業務が行えるため、従来であれば営業マンが出先から会社に戻らなければできなかった業務を、その場ですぐに行うようなことが可能です。
たとえば、営業報告書をオンラインツールで作成ができるようになれば、出先からの移動中に作成することができ、業務のスピードアップにつながります。
また、上司の承認や確認が必要な資料や書類をオンラインツールで共有ができれば、上司が社内にいなくても、すぐに確認することが可能です。押印が必要な書類などでも、電子サインが行えるオンラインツールなどを導入すれば、テレワーク等を行っていたとしてもすぐに対応ができます。
こういったさまざまな場面での業務のスピードアップが、オンラインツールを利用することで実現ができます。業務のスピードアップが実現できれば、生産性向上にもつながっていくでしょう。
オンラインツールを選ぶポイント
オンラインツールは、闇雲に選んでも意味がありません。次の5つのポイントを押さえたうえで、自社に適したツールかを判断して選ぶことが大切です。それぞれのポイントについて解説していきましょう。
- 利便性に優れているか
- 安定した接続ができるか
- 同時に何アカウントまで接続ができるか
- 費用対効果に優れているか
- セキュリティ対策に優れているか
利便性に優れているか
利便性に優れているかは、非常に大切なポイントです。なぜなら、誰でも簡単に利用できるツールでなければ、導入をしたとしても使い勝手が悪く、導入前よりも作業効率が落ちてしまう可能性があるからです。
会社には、ITリテラシーが高い人もいれば、そこまで高くない人もいるでしょう。ITリテラシーが高くない人でも問題なく利用できるツールであることが望ましいといえます。
安定した接続ができるか
オンラインツールは、インターネット環境を活用して利用するものであるため、安定した接続ができなければ業務に支障をきたしてしまいます。
たとえば、オンライン会議を行った際に接続が途切れてしまい、音声や映像がブツ切れになってしまっては会議が円滑に進むことは難しくなってしまいます。また、伝えたはずの情報が相手に伝わっていないなどの伝達ミスなどが起きてしまう可能性もあるでしょう。
インターネット環境は全国どこでも一律ではありません。どのようなインターネット環境でも安定した接続ができることは、業務をきちんと進める上で重要なことなので確認しておきましょう。
同時に何アカウントまで接続できるか
オンラインツールには、同時接続の最大人数が決まっているものも多くあります。たとえば、5アカウントまでは同時接続はできるけれど、それ以上のアカウントは弾かれてしまうなどです。
オンライン会議などを行う際や、研修やセミナーなどにオンラインツールを活用したいと考えていた場合に、同時接続の最大アカウント数を超えてしまうと参加できないことになってしまいます。そのため、自社で利用するオンラインツールの用途はどのようなものか、何アカウントまで同時接続が可能であれば問題ないのか、精査することが大切です。
大規模な接続を行いたい場合などは、同時接続が無制限のツールなどもありますので、検討してみると良いでしょう。
費用対効果に優れているか
費用対効果に優れているか確認することも大切です。
先ほど解説したように、オンラインツールを活用することで、移動コストなどのさまざまなコストを削減することが可能です。しかし、せっかくコストを削減したとしても、導入したオンラインツールを効果的に活用できていなかったり、システム利用料が削減したコストを上回ってしまったりしてしまっては本末転倒です。
オンラインツールの導入にもコストはかかりますが、コストと導入効果をきちんと見極め、費用対効果に優れているか確認することが大切です。
セキュリティ対策に優れているか
オンラインツールはインターネット環境に接続して利用するため、セキュリティ対策に優れていなければ、情報漏えいなどの危険性があります。
オンライン共有ファイルなどを活用している場合、重要な書類やデータを保存しているのであれば、より入念な対策が求められます。
万が一、情報流出などのインシデントが発生してしまった場合、社会的信用が失墜してしまい、自社の業績に大きな影響を与えることになってしまいます。導入するオンラインツールには、どのようなセキュリティ対策が施されているのか、しっかりと確認しましょう。
おすすめオンラインツール:会議ツール
ここでは、おすすめのオンラインツールのうち、会議ツールを3つ紹介しましょう。それぞれのツールについて解説していきます。
- Zoom
- Google Meet
- Skype Meet Now
Zoom

Zoomは、Zoom Video Communications社が提供しているオンライン会議ツールです。新型コロナウイルス感染症拡大の背景からニーズが拡大し、シェアを急速に伸ばしていきました。
バーチャル背景を設定することができるなど、自室でオンライン会議を行う際に部屋の様子を見せないようにするなどが可能です。また、同時接続数も無料プランでも、100アカウントまで可能と融通が効くことがメリットです。
料金プラン
- 基本:無料
- プロ: 2,000円/1ホスト
- ビジネス:2,700円/1ホスト
公式サイト
Google Meet

Google Meetは、Google社が提供しているオンラインコミュニケーションツールです。オンライン会議に限らず、ビデオ通話のように利用することも可能です。
ビデオ通話の制限時間は無制限であるため、時間を気にせずにコミュニケーションが図れることが魅力です。また、オンライン上で画面共有やチャット機能を利用できるため、よりコミュニケーションの促進を図れます。
料金プラン
- 無料
公式サイト
Skype Meet Now

Skype Meet Nowは、Microsoft社が提供している、「Skype」を活用したオンライン会議サービスです。
特徴は、アカウント不要で利用できることです。そのため、誰でもすぐにオンライン会議に参加することが可能です。
また、会議内容を録画できるため、参加できなかった人に対しても、後ほど録画データを共有するなどの運用が可能です。
料金プラン
- 無料
公式サイト
おすすめオンラインツール:チャットツール
続いては、おすすめのオンラインツールのうち、チャットツールを3つ紹介しましょう。それぞれのツールについて解説していきます。
- Chatwork
- Slack
- LINE WORKS
Chatwork(チャットワーク)

Chatworkは、導入企業が365,000社以上を誇る中小企業向けのビジネスチャットツールです。
国内企業であるChatwork株式会社が開発したチャットツールのため、日本人にも利用しやすいように設計がされています。また、チャット機能の他にも、ビデオ通話機能やタスク管理機能も搭載しているため、用途に合わせたツール利用が可能です。
料金プラン
- 無料
- ビジネス:500円/1ユーザー
- エンタープライズ:800円/1ユーザー
公式サイト
Slack

Slackは、Slack Technologiesが提供する、世界中で活用されているビジネスチャットツールです。さまざまな外部サービスとの連携が可能で、自社の業務効率がアップする工夫が施されています。
また、チャット以外にもビデオ通話や音声通話も可能で、ファイル共有も種類を問わず行うことができます。
料金プラン
- 無料
- プロ:925円/1ユーザー
- ビジネスプラス:1,600円/1ユーザー
公式サイト
LINE WORKS

LINE WORKSは、LINEのビジネス版チャットツールとしてリリースされているものです。
利点は、多くの人がプライベート利用しているLINEと似た画面でチャットができるため、誰でも簡単に利用ができる点です。カレンダー共有機能などもあるため、スケジュール調整などもしやすくなっています。
料金プラン
- フリー:無料
- スタンダード:450円/1ユーザー
- アドバンスト:800円/1ユーザー
公式サイト
おすすめオンラインツール:タスク管理ツール
最後に、おすすめのオンラインツールのうち、タスク管理ツールを2つ紹介しましょう。それぞれのツールについて解説していきます。
- Backlog
- Stock
Backlog

Backlogは、株式会社ヌーラボが提供する、国内のあらゆる企業で利用されているシェアNo.1のタスク管理ツールです。
プロジェクトに基づいたタスク管理ができるのが特徴で、進捗などが一目で分かるように工夫されています。また、直感的なデザイン性となっており、ITリテラシーが低い人でも簡単に扱えることもメリットです。
料金プラン
- スタンダード:12,980円(100ユーザー)
- プレミアム:21,780円(ユーザー無制限)
- プラチナ:55,000円(ユーザー無制限)
公式サイト
Stock

Stockは、株式会社Stockが提供するノート機能を活用してタスク管理を行えるオンラインツールです。
ノートにはタスク管理を行うテーマを記載することで、どのテーマがどれくらいの進捗か、タスクが残っているかが瞬時に確認できます。ユーザーは自身のタスクを認識しやすくなるため、スムーズな業務へとつながっていきます。
料金プラン
- 無料(フリープラン)
- ビジネス5:2,480円(メンバー5人まで)
- ビジネス10:4,980円(メンバー10人まで)
- ビジネス20:9,800円(メンバー20人まで)
- ビジネス30:14,800円(メンバー30人まで)
公式サイト
まとめ
オンラインツールはオンライン会議が行えるものから、チャットなどのコミュニケーションを促進するものまでさまざまです。そのため、一口に「オンラインツール」といっても、自社の用途に合ったツールを導入しなければ有効的に利用はできません。
自社の課題を解決し、業務効率化などにつながるツールはどんなものかを確認し、適したツールをぜひ導入してください。